「亡くなったペットをもう一度抱きしめたい…」 依頼者の記憶をたどり、リアルに再現する奈良のぬいぐるみ作家とは
「もう一度、亡くなったペットを抱きしめたい」。そんな飼い主の想いを受けとめて、旅立ったペットのぬいぐるみを作り、飼い主へ届けている作家がいます。動物造形作家の北島央子さんです。北島さんの作るぬいぐるみは見た目だけでなく、毛並み、重さや抱き心地などを一体一体手作りで丁寧に再現。今にも動き出しそうな姿に依頼者を感動させています。
奈良県大和郡山市にあるマンションの1室が、北島さんの工房『アトリエクチュール』です。4人の職人さんと一緒に、日々製作に没頭しています。
ぬいぐるみ作りは、綿密なヒアリングが不可欠。依頼者のご自宅へ向かい、写真と照らし合わせながら、ペットを亡くしたご家族の記憶を探っていきます。ヒアリングを元に、その子だけのデッサンを描き、型紙を作ります。個体によっては、100パーツを超えることも。
生地の色目にもとことん拘りますが、小ロットで細かい要望に応えてくれる業者はなかなか見つかりませんでした。そんな時、話を聞いてくれたのが、東大阪の福井さんです。10年以上かけて、ぬいぐるみ用に染め上げた生地の色味は200色以上。頼もしい仲間となりました。
母親が人形劇をやっていたため、子供の頃から人形を作っていたという北島さん。短大を卒業後、一度は企業に勤めましたが、30歳で退職し、ぬいぐるみ作家の道へ。当時流行していたテディベアを製作するうち、ある依頼が舞い込みます。それは「亡くなったペットをもう一度抱きたい」という依頼でした。
北島さんがこれまでに作ったぬいぐるみは900体以上。全国から注文が殺到し、今では納品まで1年半待ちという人気の作家となりました。
パーツを一つ一つ手縫いして、生地に綿を詰め、亡くなったペットのぬいぐるみの形を作るという繊細で難しい製作工程の最後に、北島さんが一人で向き合う大切な作業がありました。
はたして、その大切な作業とは?3月16日 土曜 午前11時からの『LIFE~夢のカタチ~』でご紹介します。(ABCテレビ/関西地域で放送、TVer見逃し配信あり)
アトリエクチュール(奈良県大和郡山市)
愛犬・愛猫の写真から作る、オーダーメイドのぬいぐるみの製作工房