京都の八坂神社には“ぬりかべ”がいるという。まさかの“妖怪なんでやねん!?”にワクワクを隠せないA.B.C-Zの塚田僚一と、ABCテレビのアナウンサー・古川昌希が、6週連続0点をなんとしても阻止すべくこの難問に挑んだ。

【動画】A.B.C-Z塚田僚一と古川アナが見せたアクロバットな協力プレー

件の“ぬりかべ”がいるという南楼門に向かった一行だったが、それらしきものを発見するやいなや「え？　これ？」と拍子抜け。石碑に近い石の柱のような形状で、イメージしていた“ぬりかべ”よりだいぶ小さかったのか、塚田も「ま、言われてみれば……だけど」とあまり納得していない様子だ。

“ぬりかべ”の正面には「神燈（しんとう）」と書かれており、上部にはぽっかりと四角い穴が空いている。これを見て古川アナは「石燈籠みたいなもんでしょう」とファーストインプレッション。側面にも文字が書かれているようだが、塚田がなんとか書き出してはみたものの、わかったのは四文字であるということだけ。ああでもない、こうでもないとなんとか解読を試みた結果、「尋方宿坊」なのではないかというところに落ち着いた。さらに反対側も同じように解読に挑戦し、いくつかの漢字を書き出した中から「敢方」と読むことに。

塚田は「敢」の字が昔は「会」という使い方をし、反対側の「尋」と結びつけて「尋ねて会う…？」と思索を巡らせる。古川アナは燈籠の形に注目し、道の中央分離帯に並べられ両側を照らす道路標識兼街灯だったのでは？と予想を立てた。

ここで京都の歴史に詳しい「まいまい京都」の以倉敬之さんに方向性を確認すると、「道路標識ではない」とバッサリ。しかし書かれていた文字は重要だったようで、それが「尋方」と「教方」であり、文字通り“尋ねる人”と“教える人”であるということを教えてくれた。

この“ぬりかべ”は燈籠としても使われたが、メインの役割としては江戸時代後期頃から起きたという深刻な社会問題を解決するために作られたもので、その名を『月下氷人石』という。同じ役割を果たすものが北野天満宮と新京極通の誓願寺にもあるらしく、「その共通点を考えれば答えは自ずと導き出されるはず」というヒントをもらった。

北野天満宮にやって来た2人は、茶席・松向軒の中で氷人石と書かれた石碑を発見。さっそく両サイドの文字を確認するとひらがなで「たづぬる方」と「をしゆる方」と書かれており、八坂神社の燈籠とほぼ同じ内容だとわかった。

古川アナはこの文字から、“江戸時代の社会問題”とは当時の教育や識字率であり、学力向上のための寺子屋のようなものが関係しているのではないかと推測。さらなるヒントを求め新京極の誓願寺へと向かった。

誓願寺の石碑は入口のすぐ脇に立っており、建物が邪魔をして読みづらかったものの塚田＆古川アナの協力プレーでなんとか文字を確認することに成功。石碑には「さがす方」と「をしゆる方」と書かれていた。

古川アナはここまでを振り返ると、八坂神社も北野天満宮も誓願寺も観光名所で人がたくさん集まることに着目。最終的に、社会問題とは“観光爆発”のことで、江戸時代後期は全国的に観光が盛んになっており、“迷う人”がたくさん出てきたことから総合観光案内所の役割を果たしていたと予想した。

100点に自信を見せた塚田＆古川アナだったが、以倉さんの評価はたったの10点。観光爆発という点は正解だったが、石碑は案内所の役割をしていたわけではなく、迷子を探すための掲示板の役割を担っていたのだった。「月下氷人」には「仲人」という意味があり、石碑の「をし由る方」には迷子を見つけた人がその特徴を書いた紙を貼り、「さがす方」には探している迷子の特徴や住所を示した紙を貼ることで、マッチングさせていたという。

江戸時代後期から明治初期にかけて、警察制度が確立されていなかったこともあり、迷子が深刻な社会問題化していた。そこで神社やお寺、盛り場など人が集まる場所に迷子の伝言板としてこうした石碑が建てられたそうだ。

ここでひとつ重大な事実が判明。なんと誓願寺の石碑には、正面に大きく「迷子道しるべ」との文字が書かれていたのだ。「初めてじゃないですか？こんな答えがある前でずっと」と以倉さんがあきれると、まったく気づかなかった2人はがっくりと肩を落として悔しがった。

なんとか6週連続0点は免れた2人だったが、スタジオからは「中途半端だなこれ！」「0点以下感があった」など散々な言われようだった情報番組『news おかえり』の人気コーナー「古川×塚田のなんでやねん!?」2月27日放送回は、動画配信サービスTVerにて無料配信中だ。なお『news おかえり』は、毎週月曜～金曜午後3時40分よりABCテレビで放送中。