「腕を舐められたり、お尻を触られたりした」 ハラスメント横行で人材不足…「日本の介護」に未来はあるか

2035年になると「団塊の世代」が85歳を迎え、日本人の約3人に1人が高齢者となる。そんな高齢者を支える介護業界に危機が! 現場でハラスメントが横行し、年収が低水準で深刻な人材不足に陥っているのだ。専門家いわく、「介護が受けられない時代」が刻一刻と迫っているという。

©️ABCテレビ

【動画】介護問題を解決する常識破りな策とは? 高齢者医療のスペシャリストが語る!

 

©️ABCテレビ

「2035年問題」という言葉を聞いたことがある人は多いだろう。約800万人いる全ての「団塊の世代」が85歳以上となり、超高齢社会の中でさまざまな問題が起きることだ。高齢化と同時に、介護業界の問題も深刻化している。厚生労働省の発表によると、介護職員の不足人数(2019年度比)は、2025年には約32万人、2040年には約69万人になるという。

©️ABCテレビ

介護業界における人材不足の原因はいくつかある。その1つはハラスメントだ。とある調査によると、介護職員の74.2%がハラスメントを経験したことがあるという。「頬を叩かれた」「利用者やその家族から『金を払っているのだから、何でもやれ』と言われた」「訪問入浴サービス中に腕を舐められたり、お尻を触られたりした」といった事例がある。

©️ABCテレビ

年収が低水準なのも、介護業界から人が去っていく理由の1つだ。とある調査によると、介護職員の年収は363万円、全産業の平均でも497万円とのこと。過酷な労働環境を考えると、この年収は十分と言うには疑問だ。

そのため、政府は「介護報酬改定」の案を発表したが、ここでも問題が。介護報酬の全体は増額するが、訪問介護の基本報酬は引き下げるつもりなのだ。「ホームヘルパーは不要なのか」「在宅介護の終わりの始まり」といった声が介護の現場から上がるのは無理もない。

©️ABCテレビ

介護業界の深刻な人材不足はどう解決すればいいのか? 高齢者医療のスペシャリスト・和田秀樹氏いわく、「昔と違って65歳はまだまだ働ける。この人材を生かすべき」とのこと。元気な高齢者が介護業界で働けば、「生き甲斐となって老化防止になる」「働くことで収入がアップする」「日本経済も活性化する」というのだ。ただし、注意も必要だ。「無理して身内の介護をしないこと」「プロに任せることが重要」だと和田氏はコメントした。

©️ABCテレビ

深刻な介護問題について紹介された情報バラエティ番組『教えて!ニュースライブ 正義のミカタ』2月10日放送回は、動画配信サービスTVerで無料配信中。ほかにも同放送回では、いまだに争いが続く中東の問題や、株が大暴落した中国の経済についても学べる。

番組情報

教えて!ニュースライブ 正義のミカタ
毎週(土)あさ9:30

関連記事

おすすめ記事 おすすめ記事