「お笑いは崇高なものじゃなく身近なもの」2008年M-1王者NON STYLE・石田が夢見る漫才の将来とは? カベポスター・永見と交わした熱い漫才論
普段は話す機会が少ない芸人同士が劇場の合間にランチを食べながらトークする「劇場合間メシ」に、NON STYLE・石田明とカベポスター・永見大吾が登場。京都の老舗精進料理店でお笑いについて熱く語り合った。
【動画】NON STYLE石田の時代を読む分析力にやすともは“パニック”!?
永見が学生だった頃にはすでにテレビで活躍していたという石田。「M-1グランプリ2008」優勝者でもある石田に、「M-1グランプリ2023」ファイナリストである永見が恐る恐る「僕らの漫才、どうですか」と聞くと、石田はカベポスターの漫才を「めちゃくちゃちゃんと漫才してるやん」と高く評価した。さらに、「ちゃんと期待を裏切る漫才というか、見ているほうの予想とは全然違うところで裏切ってくれる」とべた褒めすると、永見は「気持ちいい…。ほんま褒められるの好きなんですよ」と笑顔を見せた。
さらに石田は、「ボケ担当がネタを作ると、激しいツッコミでボケを際立たせたくなることが多い。カベポスターのいいところは、そもそもムキになって突っ込む必要性がない設定だというところ。俯瞰で見ながら的確にツッコミを入れることで立体的にボケを生かしている」と分析。「(ツッコミの)怒りではなく驚きで盛り上げていってる感じが嘘がなくていいなと思う」と語った。
石田は現在、NSCで講師を務めている。吉本興業社長からじきじきにオファーされて受けることにしたそうだが、その際大阪NSCには笑い飯・哲夫を、東京NSCにはパンクブーブー・佐藤哲夫を入れることを条件に引き受けたという。発想の笑い飯・哲夫、組み立てのパンクブーブー・佐藤、見せ方のNON STYLE・石田という鉄壁の3人体制だとした石田に、永見は「(自分がいた頃とは)別の学校やん!」と羨ましがっていた。
さらに、アシスタントにも若手ではなく中堅芸人を配置。構成作家ではなく、プレイヤーである芸人が教えることで、ダメ出しのときも生徒である後輩がやろうとしていることを否定しないというメリットがあるという。「作家さんが教えると、作りで否定できる。それはそれですごくいいダメ出しだけど、プレイヤーが教えることで、否定ではなく実現の方向で一緒に考えられる」と語った。その他、石田が心がけている生徒との接し方を聞いた永見は自身の生徒時代とのあまりの違いに「なんか損した気分やな」と振り返っていた。
多方面で活躍する石田だが、この先はどこを目指しているのか。そう永見に聞かれた石田の答えは、「めちゃくちゃ漫才を安く観れる世界にしたい」というものだった。永見が「全然思ってた答えと違いました」と驚くと、石田は漫才がどこか崇高なものになっていっている現状が嫌だと説明。もともとそうであったように、漫才をもっと身近なものにしたいと語った。
さらに石田は、「100年後、200年後に『平成・令和を彩った漫才師たち』という番組があったとして、番組制作者が代表作を選ぶのに時間がかかったというくらいNON STYLEでたくさんいいネタを残したい」との夢も披露。これには永見も「将来の夢が入り組みすぎ」と笑っていた。
石田のお笑い論に、スタジオではゲストのさや香が「NSCのリモート授業を受けているような空気感だった」と感想を語ると、自身を単純系・感覚系だという海原ともこも「途中からパニック系やった」と明かし笑いを誘った。
このほか、石田がNON STYLEの漫才の作り方について赤裸々に語ったり、東京進出について永見にアドバイスを送った人気企画「劇場合間メシ」は海原やすよ ともこ司会のバラエティ番組『やすとものいたって真剣です』2月8日放送回でオンエアー。動画配信サービスTVerで無料配信中の同放送回では、すゑひろがりずの南條庄助がはじめてのマイカー購入にのぞむ「すゑひろがりず南條 真剣!車購入計画!」も視聴できる。