コミュニティナースが作る、冷めてもおいしい「ふんわりおむすび」。現役看護師がにぎる小さなおむすびスタンド「むすんで、にぎって。」
2021年11月、大阪府八尾市の下町におむすびスタンド「むすんで、にぎって。」がオーブンしました。小さなおむすび屋さんを立ち上げたのは看護師で、コミュニティナースとして活動する小鹿千秋さん。1日100個ものおむすびを握っています。
「甘塩鮭」、「たっぷり昆布」、「南高梅」、「ツナマヨ」などの定番や、地元の旬の食材を使った期間限定の「気まぐれむすび」など常時10種類ほどのおむすびがラインナップされ、1日100個ほどが売れていきます。
小鹿さんのこだわりは「お米」。おむすび専用のお米をブレンドしてもらい、冷めても美味しい、炊き立てをふんわり、空気を含ませながら結びます。具材も多くは地元の農家から仕入れています。地域に根差し、愛される店の店主・小鹿さんには、ある思いがありました。「私は元々、病院に勤務していた看護師。今は地域の人たちの健康を見守る、コミュニティナースとして活動しています。おむすびスタンドもその一環なんです。」
地域の人たちの孤独や孤立を防ぎ、健康を守る活動をしている小鹿さんは大阪府八尾市の出身。看護師になってからは大阪市内の病院で様々な経験を積んできました。そのなかで、孤独を理由に退院を嫌がる患者さんの存在を知り、さらに育児のために現場を離れたことで、自身も社会的孤立を感じます。そこで、高齢者や子育て世代をはじめ、あらゆる世代の孤独や孤立を防ぎ、地域の人たちが集まることのできる場所を作ろうと決心。実家の酒屋の倉庫を改装し、2017年に地域食堂「おかえり処・お結びころりん」を立ち上げました。
そんなタイミングでコミュニティナースについて知り、病院以外でも貢献できることがあるかもしれないと総合病院を退職。コミュニティナースの活動として、おむすびスタンド「むすんで、にぎって。」をオープンしたのです。
現在は看護師の仕事のほか、コミュニティナースとし様々な活動に取り組む小鹿さん。新たなプロジェクトは、空き家を利用したコミュニティスペースづくり。街のだれもが気軽に集い、実家のようにくつろげる居場所を目指しています。
俳優の佐々木蔵之介がナレーションを務める、夢に向かって情熱を燃やす人たちに密着するドキュメンタリー番組『LIFE~夢のカタチ~』で5月20日(土)午前11時からご紹介します。(TVer見逃し配信もあります)