大阪・生野区の“崩壊空き家”が放置され続ける理由とは? 屋根は抜け、壁は大きく崩落!「通学時いつ崩れるかわからない」

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大阪市生野区の幹線道路沿いに広がる住宅街に、崩壊が進む3階建ての空き家があります。4年前に撮影された画像では、すでに外壁に大きなひび割れが。2年前の画像では1階のテントが破れ、区役所によって設置された「頭上注意」を知らせるカラーコーンがあるなど、危険な状態が見て取れます。

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さらに2年が経過した現在は、壁の大部分が崩れ落ち、剥がれた建材などが幅の狭い歩道に積み上がった状態に。完全に抜けてしまった屋根からは空が見え、露わになった2階部分には家具が散乱しています。

いつ倒れてもおかしくないほど崩壊した空き家に「これはもう建物の体をなしていない」とあ然とするのは、一級建築士の資格を持つ弁護士・辻岡信也さん(※「つじ」は、しんにょうに点一つが正式表記)。住宅問題の専門家とあってこれまでに多くの空き家を見てきましたが、状態の悪さは「これがNo.1」と驚くばかりです。

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すでに屋根がないため、雨の侵入を防ぐことができない空き家は「朽ちる一方」と辻岡弁護士。「緊急避難的対応を考えなければならないほど朽廃している」と、このまま放置しておくにはあまりにも危険な状況を案じます。

【動画】5月初旬には、外壁や建材が広範囲に崩れ落ち、緊急車両や警察官が駆けつける騒ぎも。近隣住民は不安を募らせています。

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さらに深刻なのは、この空き家の前の道が子どもたちの通学路にもなっていること。周辺500メートル圏内には幼稚園や小学校など少なくとも10カ所の教育施設が点在し、空き家からわずか80メートルの距離にあるプール学院中学・高等学校には800人あまりの生徒が登校しています。

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「生徒が通学しているときにいつ崩れるかわからないのが一番怖い」と話すのは、同校の安福朗常務理事。空き家の崩壊が一気に進んだ時期には、通学路を変更するなど対応に追われたそう。入試説明会など外部から来校者が集まる際は、安全のため教員が空き家の前に立ち、誘導も行うといいます。

なぜこれほど危険な状態になっても放置され続けているのか。取材を進めると、その理由の一端が見えてきました。

本来、倒壊の危険があると自治体が判断した建物は「特定空き家」に指定され、所有者への指導・勧告を行い、改善命令に従わない場合は過料、さらには行政代執行による取り壊しが可能です。しかし、この空き家は元の所有者が「所有権を放棄した」と主張しており、持ち主が不明確な状態。手続きを進めるのが困難なのです。

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区役所のある職員は、あくまでも一般論としながらも「守られるべき個人の財産と、地域に生じている迷惑・危険を天秤にかけている」「地域の安全を守るために対応を進めたいという思いはあるが、法律上、個人の財産を侵してはいけないということが優先されてしまう」と葛藤を打ち明けます。

こうした行政の姿勢に、辻岡弁護士は一定の理解を示しつつも「問題に対応していないのは不作為の違法になり得る。行政がどこかで決断すべき」と話しています。

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スタジオでは、取材に当たったABCテレビの高橋大作記者が空き家の現状を報告。現在、行政側も法律的な手続きを進めており、空き家の仮の持ち主を立てるスキームを使って、秋頃には解体できる見込みが立ってきたといいます。

しかし、これから秋までは台風のシーズン。近隣住民は「これ以上雨風が入ったら崩れる」と恐怖を抱え、事故がないことを「祈るしかない」状況が続いているといいます。

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現在、日本全国の空き家数は900万戸に達し、住宅全体に占める割合はなんと「7戸に1戸」。深刻な社会問題となっています。スタジオコメンテーターのノンフィクションライター・石戸諭さんは「個人の所有権は極めて大事」としながらも、「周辺住民の環境がこれほど侵害されている以上、行政代執行をより柔軟に行えるスキームが今後間違いなく必要になる」と指摘します。

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近隣住民にも大きな実害をもたらす空き家問題。専門家らは、身近に危険な空き家を見つけた際は、早期に各区役所の通報窓口や、専門のコンサルティング協会へ相談するよう呼びかけています。

深刻化する空き家問題は、6月23日(火)放送の『newsおかえり』(ABCテレビ 毎週月曜〜金曜午後3:40〜)で紹介しました。

『newsおかえり』YouTubeチャンネルで配信中

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