衝撃作『女ヤクザ』第3弾 背負い続ける「過去の代償」10年の絶縁 息子の借金⋯⋯ 元女ヤクザが向き合う、更生と再生の物語
女性初の暴力団組員という異例の過去をもつ、西村まこ(59歳)。
かつて、関東最大の指定暴力団「住吉会」系に所属し、薬物の売買や懲役を経験した彼女は、今、過去の過ちを悔い改め、NPO法人「五仁會」の岐阜支局長として元受刑者の更生支援に奔走している。
大反響を呼んだドキュメンタリーシリーズの第3弾となる「追跡スペシャル『女ヤクザ』母なる懺悔録Ⅲ~言葉、そして家族~」。本作では、彼女が背負い続ける「過去の代償」としての家族の絆の崩壊、そして支援者としての新たな一歩が、綺麗ごとではないリアルな映像で描き出された。
プロ格闘家として世界デビューを目指すまこの長男・大輝は、まこがもつ人脈や資金援助という「メリット」を条件に、ようやく再会に応じたものの、母親への不信感は拭えていない。
その想いを払拭すべく、プロ格闘家の宮本和志選手らの人脈を頼り、必死にスポンサー集めに動くまこ。
しかし大輝は、「格闘技と仕事を両立できるよう」と、宮本選手が紹介してくれた仕事を勝手に断っていたのだった。
大輝の行動を知ったまこは急遽上京し、1対1で対峙し話し合いを持つ。そこで、大輝が事情を告白。家賃を滞納し、強制退去の危機に瀕しているという衝撃の事実を明らかにする。
ヤクザを辞め、50歳を過ぎて「更生した」と主張する母親と、独り立ちできず、生活が立ち行かない状況に陥っていた息子。互いの積年の感情が激しくぶつかり合う。若い頃ならともかく、人生の後半に差し掛かった今になって更生した、というまこに対し、
「人ってそんな簡単に変わるのかな」
とつぶやく大輝の口から漏れる言葉には、子ども時代に植え付けられたトラウマと、母親への根深い不信感が溢れている。
それでもまこは、母親として大輝の手を離さなかった。
更生支援活動で得る給与だけでは、支援することができない。そう考えたまこは、新たに職を得ようと奔走する。
そして、1ヶ月後。
宮本選手とのトレーニングを設定したまこは、毎朝4時起きで働いて手にした「初任給」を携え、東京での特訓の場へと赴いた。
しかし、ここでも親子の想いは複雑に絡み合い、まさかの再絶縁を思わせるような緊迫した事態に。
これを終息させようと、番組取材班は思わず間に入る。
泥臭くも懸命に自分を支えようとする母親の姿と、差し出された現金を前にしたとき、大輝の頑なな心に少し変化が生じる。
「お金を持ってきてくれたその気持ちは、本当に感謝する。ありがとう」
10年の空白を経て、長男の口から初めて紡がれた感謝の言葉。
それは、まごうことなく親子の血の通った瞬間だった。
まこは、その初任給をすぐには渡さず、大輝の海外デビューの日まで内緒で貯蓄することを決め、親子は不器用ながらも、ともに歩みを進め始める……。
親子の葛藤と並行し、カメラはまこの「更生支援者」としての進化も捉えていく。
中学校も満足に通えていなかった彼女が、自らの活動に役立てるため、社会から孤立した人々を支える「伴走型支援士」の資格取得に挑戦していたのだ。
通信講座の全課程を終え、人生で初めて大学の講義室に臨むまこ。
そこには
「解決できるかどうかは置いといて、その人を1人にしない、孤独にしない」
という支援の真髄があった。
———そして、2026年春。
「1人じゃないよ、みんないるからね。いつでも話聞くで」
覚醒剤中毒の知人がいて苦しんでいる相談者に、そう言って優しく微笑みかける「伴走型支援士」となったまこの姿があった。
これは、単なる美化された物語ではない。
一度犯した罪の代償は重く、家族の信頼を取り戻す道はどこまでも泥臭い。
しかし、他者を「孤独にしない」と誓い、学び続けるまこの姿は、人間はいつからでもやり直せるという厳然たる事実と、更生の本質を強く突きつけている。
まこと息子たちの間で途切れてしまった絆も、再生する日が来るのだろうか———。
2024年9月から不定期で放送されているシリーズの第3弾として、5月16日(土)に放送された報道ドキュメンタリー番組、「追跡スペシャル『女ヤクザ』母なる懺悔録Ⅲ~言葉、そして家族~」は、ABCのYouTubeチャンネル(ABCテレビニュース)にて見逃し配信中。














