朝8時から行列! 安くてうまい西成の立ち飲みスポット「マルフク」 名物ホルモンの気になるお値段は?

©ABCテレビ

街のおいしい店に潜入し、店主の人柄からにじみ出る人気の秘密を発見するシリーズ「実録!人情食堂」。今回は、安くてうまいホルモンが看板の店を取材しました。

やって来たのは大阪市西成区。午前8時過ぎ、まだ多くの店がシャッターを閉めている時間にもかかわらず、通り沿いに熱気を放つ一角があります。「ホルモン」と大きく書かれた看板が目印のこちらは、創業40年の「マルフク」。早朝というのに、店内にギッシリのお客さんが、名物のホルモンをアテに立ち飲みスタイルで瓶ビールを楽しんでいます。

©ABCテレビ
©ABCテレビ

朝のウォーキングの後にいつも立ち寄るという常連客や、広島から初めてお店にやって来たグループ、ビールをラッパ飲みしながら「休日は12時間以上飲む」と話す豪快な女性などお客さんはさまざま。独特のクセになる味つけのホルモンを目当てに、地元の人のみならず海外からの観光客も多く訪れます。

そんな店のにぎわいを、外からにこやかに見守っているのは「マルフク」の店長・穴蔵正明さん(76)。創業当時は1人で店を切り盛りしていましたが、今は頼りになるスタッフたちが店を支えています。外国人スタッフも多く、フィリピン出身のネネさんの「マルフク」歴はもう20年。穴蔵さんはどんな人?とたずねると「やさしい!」と最高の笑顔で答えてくれました。

©ABCテレビ
©ABCテレビ

続いて、厨房で“仕込み”の様子をのぞいてみました。大量のホルモンを一気に仕込みますが、味の決め手となる“たれ”にはこだわりが。いりこなどでだしをとった韓国のたれをベースに作り、「安い醤油」など味を落とす調味料は使わないのが「マルフク」のモットー。ほか、牛すじや豚足など1日に出るお肉は60kgほどもあり、仕込みだけでも重労働です。

©ABCテレビ

【動画】引退まで「あと2年」と決めているという穴蔵さん。その後は、現在は別の飲食店で働いている長男か長女に店を継いでほしいと考えているそう。

まもなく、お店に立った穴倉さんは、見事なコテさばきでホルモンを焼き、接客をして会計を済ませ…と目の回るような忙しさ。ひっきりなしにやってくるお客さんは、ホルモンが220円、豚足煮込みが290円など、どれも驚くほど安くておいしい「マルフク」のメニューに大満足の様子ですが、果たして、こんなに安くて採算は合うのでしょうか?

食材の値段は年々上がり、仕入れの値段は昔の倍に。ですが質は落とさず、「安くても品物はええのを使う」のが穴蔵さんのこだわり。午後からも四国からやってきた親子連れや、“推し活”で大阪に来たついでに立ち寄ったという女性、マレーシアから来た観光客などが自慢のホルモンを楽しみました。

©ABCテレビ

翌朝、午前8時の開店時間に「マルフク」に行ってみると、店の前にはすでに行列が。テキパキと働くスタッフたちが次々と注文をさばいていきます。現在、スタッフは計12人。一番古くからお店を支えているのは、穴蔵さんの昔からの大親友でもある愛称・ペラ坊さん(78)です。

連れ立って食事に出かけるほど仲のいい穴蔵さんとペラ坊さん。そんな2人のお昼ご飯におつき合いしたついでに、「マルフク」を始めたきっかけを聞いてみました。かつては食品の卸業の仕事に就いていた穴蔵さん。小さな居酒屋が混在する西成に「チャンス」があると感じ、34歳で「マルフク」をオープンさせたそうです。

©ABCテレビ

「誰でもあったかく受け入れるところ」と西成の魅力を語る穴蔵さんとペラ坊さんですが、創業当時に比べると街の雰囲気は「ものすごく変わった」とも。かつては労働者があふれていた街に、今では旅行者や外国人観光客が行き交います。そんな西成の変化を見つめ続けてきた「マルフク」。40年間、変わらず愛される人気店は、朝8時の開店から夜9時の閉店まで、今日もずっと超満員です。

「実録!人情食堂」は、11月3日(月)放送の『newsおかえり』(ABCテレビ 毎週月曜〜金曜午後3:40〜)で紹介しました。

©ABCテレビ

『newsおかえり』YouTubeチャンネルで配信中

関連記事

おすすめ記事 おすすめ記事