東大阪 近鉄弥刀駅すぐの安くてうまい焼き鳥屋さん!容器持参で大量買いが当たり前! 子どもには無料でアレあげる

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街のおいしい店に潜入し、店主の人柄からにじみ出る人気の秘密を発見するシリーズ「実録!人情食堂」。今回は、お客さんが何十本も買っていく大人気の焼き鳥店を取材しました。

東大阪市、近鉄弥刀駅から徒歩15分。下町の商店街の一角にある「とり坂」は、持ち帰り専門の焼き鳥屋さんです。香ばしく焼いた串を、とろみのあるタレの中に豪快にドボン。ツヤツヤの照りが食欲をそそります。

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次々に訪れるお客さんのほとんどが自前の容器を持参。みなさん、とにかく買う量が多いのです。「もうわからへんくらい、いっぱい買うた〜」と話す女性のお会計は、なんと焼き鳥だけで「7700円」。「食べないと損!」と味を絶賛する常連さんは「いつも40本ぐらい頼む」と大量買いが当たり前だそう。

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そんな熱烈なファンも多い「とり坂」は1968年創業。店主は2代目の太田尚幸さん(58)で、もともとはお店の常連客だったとか。焼き鳥のおいしさに惚れ込み、12年前、脱サラして弟子入りしました。

自慢の焼き鳥は「ぼんじり」や週末限定の「はつ」など7種類で、すべて1本140円。味の決め手は醤油ベースの甘いタレで、少し粘り気があるのが特徴。鶏肉は、肉質のいい鳥取産の大山どりを使うなど素材にもこだわっています。

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【動画】人気商品は「MIX」。胸肉と皮を交互に重ねていく独特の刺し方も、これによく合う唯一無二のたれも、すべて先代から受け継いだものとか。

店にはひっきりなしにお客さんがやってきます。「おやつで食べるねん」という常連の女性は、買ったばかりの揚げ物メニューの「手羽元」で“食レポ”を披露。「しゃぶったときの甘み!これがホンマの手羽元」と大絶賛です。

午後2時過ぎ、店の前で何やらソワソワしている太田さん。まもなく、「から揚げください!」と続々とやって来たのは、学校帰りの近所の子どもたち。実は太田さん、毎週金曜日の放課後、子どもたちに無料でから揚げを配っているのです。

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きっかけは、以前出会った学童保育の子どもでした。夕方、お腹を空かせた様子でトボトボと歩く小学生を見かけた太田さん。思わず「1個食べる?」と勧めたのが始まりで、から揚げを食べにやってくる子は今や40人ほどに。おいしそうにから揚げを頬張る姿に「みんな元気やからいいっすよ」と太田さんはうれしそうです。

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閉店は午後6時。後片付けなどを終え、午後9時に店を出た太田さんは、そのまま隣にある倉庫の2階に向かいます。自宅は奈良にありますが、“仕込み”に時間がかかるためほとんど帰らず、すぐ隣で寝泊まりしているのです。

午前0時、起き出してきた太田さんは「今からやらないと間に合わない」と仕込みを始めます。まずは秘伝のたれ作り、そして鶏の下準備。ひとり黙々と、ときどき仮眠もとりながら作業を進めていきます。

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朝を迎え、この日は土曜日。店内には、週末だけお手伝いに来ている妻の友紀(53)さんの姿が。かつて太田さんが会社を辞め、焼き鳥店をやると言い出したときには猛反対したそうですが、今では「止めても止まらない。やりたいようにやってもらったらいいかな」とがんばる夫を応援しているそうです。

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焼き鳥を焼きながら、ときにウトウトしてしまうほどハードワークが続く太田さん。それでも「楽しいですよ。しんどいけど、みなさんが買いに来てくれるのがうれしい。“おいしい”って来てくれたら、がんばれるかな」と。

そんな太田さんに、ご近所の喫茶店のママからコーヒーの差し入れが。朝には、通学する子どもたちが「おっちゃん!」「おはよう」と声をかけていきます。そんな温かい交流に「いいでしょ?」とうれしそうに目尻を下げる太田さんは「僕は今が青春」「最高に楽しませてもらってます」と晴れやかな笑顔で話してくれました。

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「実録!人情食堂」は、12月1日(月)放送の『newsおかえり』(ABCテレビ 毎週月曜〜金曜午後3:40〜)で紹介しました。 

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『newsおかえり』YouTubeチャンネルで配信中

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