朝5時半から行列 京都の老舗ラーメン店「本家 第一旭」 山盛りの九条ネギは“やさしさ”の証! 気になる学割のお値段は?

街のおいしい店に潜入し、店主の人柄からにじみ出る人気の秘密を発見するシリーズ「実録!人情食堂」今回は、九条ネギたっぷりのラーメンが多くのファンを魅了する京都のお店を取材しました。

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JR京都駅から東へ5分ほど歩いたところに、行列の絶えない人気店があります。こちらは創業1947年のラーメン専門店「本家 第一旭」本店。平日のこの日も、お昼過ぎには60人を超える大行列が。名古屋や横浜など国内のみならず、オーストラリアやカナダと海外からやって来た観光客も並んでいます。

厨房に入ると、スキンヘッドにねじり鉢巻きの男性が大きな釜で麺を茹でていました。この方が本店の店長・森山正義さん(58)さん。看板メニューの「ラーメン」は、チャーシューに九条ネギ、もやしがのって1杯980円。気軽に食べてもらうには「やっぱり1000円以下でないとしんどいやん」と森山さん。この値段もお店のこだわりです。

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さらにお客さんを喜ばせているのが、ネギともやしを無料で「大盛り」にできるサービス。九条ネギは京都のブランドネギとあり、仕入れの値段もそれなりに高くなるのですが、「おいしい!」「並んだ甲斐ある」と山盛りのネギに目を輝かせるお客さんのために続けています。

【動画】キリッとした味わいの、豚骨ベースのしょうゆラーメンにファンが多い「本家 第一旭」。醤油は京都・伏見産、国産豚を使うなど素材にもこだわりが。

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カスタマイズにも応じてくれます。「硬めのバラネギで」と注文していたのは、ほぼ毎週通っているという常連さん。この暗号のようなオーダーは「麺は硬めでチャーシューはすべてバラ肉。ネギは大盛りで」という意味だそう。

高校生までなら注文できる「学割ラーメン」もあります。麺は通常の1.3倍、チャーシューの切れ端もたっぷり入れて830円とお得で、「学生さんにお腹いっぱいになってほしい」という森山さんの願いが込められています。

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30代半ばから「本家 第一旭」で働く森山さんは、元はトラック運転手。「中学からの親友」の誘いで、小遣い稼ぎのつもりで週末だけのアルバイトを始めたのが入社のきっかけだったといいます。その「親友」というのが、「本家 第一旭」の3代目社長・森田孝士さん。バイトを続けるうち、森田さんと「一緒に仕事がしたい」と真剣に考えるようになり、転職を決意しました。

しかし、その森田さんは6年前、52歳の若さで病気により他界。店長として「本家 第一旭」の味を守り続ける森山さんが「僕は新しいことやるの怖いけど、あいつはやりよる」と一目置く「あいつ」とは、亡き森田さんの長男で4代目社長の孝祐さん(30)です。

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今年10月、大阪に新店舗の天満店をオープンした孝祐さんを「親父もあいつもそういうとこは勝負しよんねん。それがかっこええやんか」と高く評価。大親友だった先代も息子の現社長も「家族やと思ってる」からこそ、森山さんはお店を全力で支えていけるのです。

真夜中にも行列ができる本店の営業は深夜1時まで。閉店の3時間後、お店に再び明かりが灯ります。朝の開店に向け、森山さんが仕込みを始めるのです。

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オープンはなんと朝6時。開店前からすでに10人ほどが並びます。5時半から待っていたのは30年来の常連さん。「一日の元気は“朝ラー”から」とおいしそうにラーメンをすすり、仕事に出かけていきました。

この日、従業員の1人が寝坊してしまうハプニングが。45分遅刻しましたが、森山さんは「普段から人一倍動きよる子。そらそんなこともあるやろ」と叱りません。1年半に入社したばかりながら、すでに厨房の花形である麺場もこなす彼のがんばりを森山さんは高く買っています。

「若い子が育つと、店の活気も出る。実力者が増えていくと、また次の店もいけるしね。僕も助かるし」と目を細める森山さん。何歳までがんばりますか?とたずねると、「70までいこうか(笑)。体力続く限りやります。ぶっ倒れるまでやります」と力強く答えてくれました。

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「実録!人情食堂」は、11月17日(月)放送の『newsおかえり』(ABCテレビ 毎週月曜〜金曜午後3:40〜)で紹介しました。 

『newsおかえり』YouTubeチャンネルで配信中

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