「クマに遭ったら…」東野幸治&眞鍋かをりの質問に「どうすることもできません」「だから亡くなっている」専門家が考える“救世主”とは
日本各地に出没するクマによる被害で、死者数が過去最多に! この深刻さから県が国に自衛隊の派遣を要請する、異例の事態となっている。クマの恐ろしさや、被害の“救世主”について、クマの管理に関する研究を25年もしている専門家が語った。
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2025年10月31日時点で、クマによる死者数は過去最多の12人に。死傷者の6割以上が市街地で襲われており、北海道や東北だけでなく、観光客で賑わう京都でもクマの目撃情報が相次いでいる。こうした異例事態に政府は、11月中旬までに「クマ被害対策施策パッケージ」を取りまとめるように関係省庁へ指示。被害が特に多い秋田県では、鈴木健太知事が小泉進次郎防衛大臣に自衛隊の派遣を要請した。
MC・東野幸治の「クマに遭ったらどうするのが一番いいのか」という疑問に答えてくれたのは、兵庫県立大学自然・環境科学研究所の横山真弓教授だ。“クマ管理のスペシャリスト”である横山教授は、「どうすることもできません」と断言!
クマは目が悪く、聴覚や嗅覚で獲物を判断している。そのため、距離があってクマが人間に気づいていない場合は、両手を広げて大きく振り、「おーい」と言いながらゆっくり下がるのが横山教授としてはベストとのこと。「怖い大きな生き物だよ」と、クマにアピールするのだ。
横山教授によるとクマは、高くて短い音を警戒するのだそう。“クマ除けには鈴がいい”と巷で言われているのは、これが理由だ。ただし、「興奮させるともっと危ない可能性がある」ため、甲高い声で叫ぶのは横山教授的にオススメしないという。またクマ除けスプレーも効果的と言われているが、彼女いわく、「唐辛子が入っているので。アレは最終手段で訓練が必要です」とのこと。
タレントの眞鍋かをりが、「(クマが)結構至近距離だったらどうすればいいんですか?」とたずねると、横山教授は「だから(人が)亡くなっているんです」とコメント。「『暴走車がぶつかってきたらどうしましょうか』って言われているくらい難しい話」とのことで、クマ被害の一番効果的な方法は、「出会わないようにするしかない」と苦々しい表情で語った。
命の危険と常に隣り合わせのクマ駆除は、猟友会頼みなのが現状だ。しかし、肝心の猟友会のハンターは年々減っており、その半数は60歳以上。報酬は決して高くなく、駆除をめぐるトラブルも絶えず、悲惨な状態だ。
横山教授いわく、「(クマは)放っておくと増えていきますので、ある程度数を減らしていかないと人の生活は守れない」とのこと。そのため彼女は、ガバメントハンターの育成が急務だと考えている。ガバメントハンターとは、狩猟免許を所持していて野生鳥獣対策を行う自治体職員のこと。自治体にガバメントハンターがいれば、クマの捕獲までの流れがこれまでと比べてスムーズになるのだ。
さらに横山教授は、ガバメントカラー(個体数管理捕獲者)という職種の必要性についても語った。彼女いわくガバメントカラーの仕事は、野生鳥獣の個体数を推定したり、獣道の動きや被害などを日常的に調べたりするなど。「きちんとした職種を若い人たちの活躍の場として創設しないと、今後の地方社会は成り立たない」と横山教授は考えている。
一方、元陸上自衛官で前参議院議員の佐藤正久氏は、「銃刀法の規制を見直す時期では」とコメント。猟銃の価格の高さや猟銃免許の取得難易度、そして個人任せな現状に触れて、「自治体が(猟銃を)10丁くらい持って、それをハンターに貸し出すとか。弾も含めて」と私見を述べた。いずれにしても国民の命を守るために、政府には1秒でも早く効果的なクマ被害対策を行ってほしいものだ。
なお、クマ被害の問題は、11月1日に生放送された情報バラエティ番組『教えて!ニュースライブ 正義のミカタ』(ABCテレビ)で取り上げられた。
















