気鋭のライトノベル作家とイラストレーターによる連作ショートアニメプロジェクト『週刊ラノベアニメ』。第3話を迎えた『マリー・アントワネットに転生したので全力でギロチンを回避します』は、原作と脚本を天野頌子が、キャラクターデザインを藤真拓哉が務める。

同人誌を何十冊も描くほどアイドル育成乙女ゲームにのめり込むオタク女子が18世紀のマリー・アントワネットに転生し、革命で処刑される運命を変えようとする王宮コメディだ。

王太子妃のルーティンは厳密である。朝と昼の2回、ミサに出席。そして午前中、王太子ルイ（CV：増田俊樹）の叔母たちのサロンに顔を出しているのだが……。

マリー・アントワネット（CV：ファイルーズあい）は３人の伯母から、国王の愛人であるデュ・バリー夫人と「決して口を利かないように」と言い含められていた。平民出身のデュ・バリー夫人を快く思わない伯母たちは、王太子妃マリーに夫人を無視させることで、婦人に恥をかかせようと企んだのだ。

（伯母様たち、破壊力ヤバイ！ ヴェルサイユの3大ボスか。私、今日もHP残して帰れるかな……）
（あーっ、面倒に巻き込まれている場合じゃないのに！）

そして迎えた、舞踏会の夜。

「私はダンスが苦手なのでここで見ています。あなたは踊ってきてください」というルイに、「え！？私も踊れないんですけど」とマリー。するとルイは、「私に気をつかうことはありません。あなたはダンスが得意だと聞いていますよ」と返す。

「そういう訳では……殿下も一緒に踊りましょう！」とマリーは夫の手を引き、フロアの中央へ歩み出る。

（みんな踊りうますぎ！ 私だけ盆踊りレベルだったらどうしよう！？　足踏んだら即終了の空気！せめて転ばないで～！）

（いや、昔バレエを習ってたから行けるはずよ！）

踊り始めたマリーは、巧みにリードするルイに身を任せて夢見心地。

（そういえば、抜け出すチャンスなんだった！ どこから庭園に出られるのかしら――）
考え事をしながら踊っていたマリーは、足をとられ、デュ・バリー夫人（CV：田澤茉純）とぶつかってしまう。

（このゴージャス美人…！破壊力高すぎ！眩しい～！）

その様子をフロアの窓際で見ていたのは、王弟のシャルル（CV: 土岐隼一）。隣に立つ兄のスタニスラス（CV：大塚剛央）に「ねえ、面白いことが始まってるよ。声をかけないつもりかな」と楽しげに囁く。

スタニスラス「どうせ伯母上たちの差し金だろうが……国王陛下の耳に入ったら外交問題だぞ」

シャルル「伯母上たちあそこでニヤニヤしているよ。何も知らない姉上を使うなんて、あくどいなあ」
スタニスラス「デュ・バリー夫人は他の愛人たちとは違う。嫁ぐ前に勉強してこなかった方が悪い」

その時、マリーが微笑みながら口を開いた。

「今日はヴェルサイユは大変な人ですこと」

意外な展開に、王弟2人はもちろん、デュ・バリー夫人も驚きの表情。

王太子妃がデュ・バリー夫人に声をかけたことで、舞踏会の出席者たちからも驚きの声があがる。「デュ・バリー夫人の存在をお認めになったわ…！」

デュ・バリー夫人「王太子妃殿下。この度のご成婚、まことにおめでとうございます」
その時、「愛人に声をかけるなんて…」とささやく声が夫人の耳に入る。
「誰？！」と振り向く夫人に、マリーは笑顔で「気にすることはありません」と語りかける。

「ありがとうございます。でも……大丈夫なの？あたしは平民の生まれで、しかも……」
言い淀む夫人に、マリーはきっぱりと言い切った。
「平民だの貴族だのって、生まれた身分で差別するのはどうかと思います。そのうえ職業差別なんてただのイジメじゃない」

シャルル「伯母上たちを全否定したねえ。あ、伯母上たち顔真っ赤にして出て行った」
スタニスラス「デュ・バリー夫人に恥をかかせようとして、逆に自分たちが恥をかかされる、か。呆れた話だ」

「さすがは女帝マリア・テレジアの娘ですね。進歩的な考え方に感心しました」と拍手をおくるルイ。

国王が自分を探していたと聞いて退出しようとするデュ・バリー夫人だが……

ふと振り返り、「結婚祝いを贈りたいわ。何か欲しいものはある？ダイヤモンドの首飾りはどうかしら」と笑顔で問いかける。
マリー「アクセサリーは十分いただいたので。少し考えさせてください」
デュ・バリー夫人「いいわよ」

ルイ「すっかりデュ・バリー夫人を味方につけたようですね」
シャルル「なかなかやるなぁ、姉上」

（イケメンと美女に褒められちゃったわ）と浮かれるマリー。だが……

「しまった！せっかく逃げ出すチャンスだったのに！！」

（ギロチンだけは絶対イヤーーーーーーー！！！！）

転生したマリーは王宮から脱出して、ギロチン処刑の未来を阻止することができるのか？それとも……！？

なお、この『マリー・アントワネットに転生したので全力でギロチンを回避します』第3話は、7月26日深夜に放送された。
本作のほか、ショートアニメ4本が連続で展開される『週刊ラノベアニメ』は、ABCテレビ・テレビ朝日系列全国24局ネット『ANiMAZiNG!!!』枠にて放送。TVerでも無料配信。