影山優佳 家族との思い出はキャンプ場! 「トリケラトプスがトリケラトプス過ぎて…」
承認欲求強めの人気脚本家・朝山賢太を小澤征悦が、そんな夫を支える女社長の妻・朝子を中村アンが演じるホームドラマ『こんばんは、朝山家です。』(ABCテレビ・テレビ朝日系列 毎週日曜夜10時15分)。朝山家のマイペースな長男・晴太(嶋田鉄太)が通う小学校の教師・木本美樹役を演じているのは、元日向坂46のメンバーで、現在は女優業での躍進が際立つ影山優佳です。今回のインタビュー前編では、初の教師役にどのように挑み、共演者にどんな印象を持っているのか、そして自身の家族との思い出などを聞きました。

——『こんばんは、朝山家です。』のオファーを受けたときのお気持ちは?
学校の先生役をやらせていただくのは初めてなので、役とはいえ、生徒の人生を背負う責任を果たして全うできるのだろうか、という不安がありました。ただ、例えば警察官役だと警察官の方にお世話になったことがないのでイメージが湧かないのですが、学校の先生にはお世話になったので、イメージは持ちやすい。先生方の姿と、自分がその立場になったときに、どういうギャップがあるんだろう…なんて考えると楽しみで、お話をいただけてうれしかったです。
——教師の木本美樹役を、どんな意識で演じられていますか。
木本先生は、優しく、温かく、熱を持って生徒と触れ合おうと努力されている方。なので、明るく気丈に先生としての役目を全うしようとするけれども、生徒それぞれへの個別の対応であったり、支援の形だったりを模索して、葛藤したりしている。それが表に出てしまうような幼さも含めて、どういう塩梅でお芝居に出していくか、試行錯誤しました。

——今回の脚本家で監督でもある足立紳さんと話し合ったりしましたか。
そうですね。どれくらい“先生”でいた方がいいのか。生徒の晴太くんと話すときにうまくいかないもどかしさを、生徒たちの前でどの程度出してもいいものか。現場でその都度、お話をさせていただきました。
——晴太の父・朝山賢太を演じる小澤征悦さんや、母・朝子に扮する中村アンさんとの共演の感想は?
自分に自信があるけど強く出られない部分があったりする、さえない夫という難しい役柄を、小澤さんは現場の空気を乗りこなしながら演じていらっしゃって、すごいなと。中村さんは、休み時間も気さくに話しかけてくださって。テレビで拝見していた通りの、あたたかい方なんだなと感じました。
——晴太役の嶋田鉄太さんは?
ありのままの自分でいられて、自分の時間を持っているところが、かっこいいなと思いました。役柄としては、自分の感情が体についていけないもどかしさや、ちょっとずつ成長していく自分を表現しなくてはいけないと思うんです。それを、自然体で表現されているのがすごいところ。共演シーンは、勉強させていただくことの多い時間でした。

——本作ならではだと思う撮影中のエピソードは?
朝山家のみなさんが、本当に家族のようで(笑)。カメラの前と楽屋での境界線がなく、常に家族という感じなんです。気づいたら朝山家のように怒ったり、怒られたり、喧嘩していたり、「あ、本物だ!」とファン目線で見ていました(笑)。
——ドラマ同様、楽屋でも楽しいツッコミがあったりするんですか?
鉄太君が常に自然体なので、アンさんが「ちゃんとしなよ!」とツッコんでいたり、その間を小澤さんが取り持っていたりして。そういうあたたかい空気で現場が統一されていて、「このドラマの空気が、いろんな人に広まってほしい」と思うような現場です。
——足立監督が、自身の家族をモデルに描いたホームドラマです。影山さんご自身は、どんな家族のもとで育ちましたか。
子どもの自主性を尊重してくれる家庭で、「好きなこと、やりたいことだけやりなさい」というか、「やるんなら中途半端な気持ちでやるんじゃない! やりたくないなら、やめな!」みたいな感じでした(笑)。自分の気持ちに正直でいることを単純明快に教えてもらいましたし、いろんなところに連れて行ってくれて、あたたかくて楽しい家族です。

——連れて行ってもらったところで、印象に残っているのは?
キャンプ場ですね。もう時効だから話してもいいと思うんですけど(笑)。私には弟がいて、幼稚園で工作の宿題が課せられているときにキャンプに行ったことがあるんです。そのとき、親が弟の代わりに木や粘土を使って恐竜のトリケラトプスを作ったら、トリケラトプスがトリケラトプスすぎて、縮尺もピッタリみたいな(笑)。親が作ったとバレバレで、弟は幼稚園でめちゃくちゃ怒られてました(笑)。でも親が、自分事のように楽しみながら恐竜を作っている姿が印象的でしたね。(後編に続く)。
ドラマ『こんばんは、朝山家です。』は、ABCテレビ・テレビ朝日系列で毎週日曜よる10時15分放送。放送終了後、TVerで見逃し配信中。U-NEXT、Prime Videoでは全話配信。
取材・文/泊 貴洋
