どうなる参院選? 勝敗のカギを握る「シン・どぶ板選挙」とは?

連日30度を超える暑さの日本列島において、さらに”アツい戦い”が繰り広げられている、参議院選挙。まさに、異例の政権選択選挙となっている今回の注目点は、既成政党と新興政党との戦いとなっていることだ。

そして、勝敗の鍵を握っていると言われているのが、
SNS戦略。
昨年の衆議院選挙や先日の東京都議選挙で、新興政党が大躍進を遂げたことは記憶に新しい。
その勝利の背景には、SNSでの発信力を含む、いわゆるネット戦略があると考えられている。

しかし一方で、石破茂総理(自民党総裁)に関するフェイク動画があっという間に拡散されるなど、政党だけでなく、有権者もSNSに踊らされている、という現状も。

こうした選挙戦における、SNSの徹底解析を行う“データ分析の鬼”、立命館大学産業社会学部准教授・谷原つかさ氏のミカタは、こうだ。

世論調査で急速に一部の新興政党が支持を伸ばしており、政治ジャーナリストの青山氏いわく

「小さい政党でも、SNSを通じて主張を直接有権者に届けられるようになった結果」

だという。
特に、前回の衆院選や都議選で一気に知名度を上げた2党の戦略を分析すると、「リアルとネットの相互作用」で、“新規ファン”をどれだけ取り込めるかがポイントのようだ。

まさに、SNS時代の象徴のようなこの調査結果。

さらに、“データ分析の鬼”の指標は、各政党のYouTubeチャンネルの再生数だけでなく、登録者数にも及ぶ。
この一ヶ月でぐんぐんと登録者数を増やしているということは、新規のファンを獲得している証拠なのだ。

経済学者の髙橋洋一氏も、「SNSの特色である双方向性は、民主主義の根底でもある、さまざまな意見を汲み上げることが簡単にできるツール。絶対に使わなきゃいけない。これからは必須になるのでは」と説く。

また、若者はショート動画だけを見ているイメージがあるかもしれないが、谷原氏の分析によると、政治系に関しては、ショート動画から長尺動画へと進むことが多く、この行動が最終的には投票に結びついているのだという。

これまでのように、街頭演説や辻立ちといった、いわゆる“どぶ板選挙”のスタイルは、LIVE配信で1万、2万の視聴者を獲得している政党が躍進している現実からみると、まさに“ネットどぶ板選挙”へと進化している。

ただ、SNSは諸刃の剣。
この短い選挙戦の中で、一瞬でもフェイクニュースが流れると、それをフェイクだと当事者が証明する時間もないため、有権者も惑わされてしまう。

人気が高まる「切り抜き動画」の落とし穴に対しても谷原氏は、

「視聴者=有権者に必要となるスキルがある」

と解説する。一見正しそうな意見にも飛びつかずにやりすごす、“曖昧さ”に耐えるスキルが必要なのだという。

そのほか、SNSと選挙を取り巻く課題について詳しく紹介された情報バラエティ番組『教えて!ニュースライブ 正義のミカタ』(ABCテレビ)7月12日放送回は、動画配信サービスTVerで配信中。

番組情報

教えて!ニュースライブ 正義のミカタ
毎週(土)あさ9:30

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