『ポツンと一軒家』 結婚12年後に待望の長男誕生するも家業が途絶え…元・酪農家夫婦「仕方ない」「ご先祖様に申し訳ない」

群馬県の山奥には、広大な牧草地があり、そこにポツンと一軒家が佇んでいる。ここの所有者は、麓町で暮らす夫婦だ。2人はそれぞれ酪農家に生まれ、約50年も酪農一筋だったが、高齢と後継者不足のため、酪農業を泣く泣く廃業した。長年酪農に尽くし、誇りを持つ夫婦の人生ドラマは、非常に素晴らしかった……!

【動画】かつての住民は“日本一の鉱都”足尾銅山の労働者! 群馬県のポツンと一軒家には、深い歴史が秘められていた

群馬県の“ポツンと一軒家”と広大な牧草地は、倒木、落石、通行止めの看板だらけの危険な林道の先にある。持ち主は、麓町で暮らす元・酪農家夫婦だ。かつて夫婦は、自宅の敷地で多いときに100頭もの乳牛を育て、1日に2トンも搾乳したのだとか。山奥の牧草地は乳牛の飼料用で、その広さはなんと20ヘクタール、東京ドーム約5個分! ポツンと一軒家は住宅ではなく、農作業時の休憩所として利用していたそうだ。

夫婦は、どちらも実家が酪農家。酪農家つながりで元々顔見知りだったことから、夫が33歳、妻が26歳のときに結婚し、その12年後に待望の1人息子を授かった。夫婦は、早朝5時頃から夜8時頃まで働く生活を、なんと年中無休で約50年も続けたという。

今や夫は75歳、妻は69歳。夫婦は高齢による体力低下に加えて、1人息子から「牛はやんないよ」とハッキリ言われたため、酪農業を3年ほど前に廃業した。息子が継がない原因を夫婦は、自分たちが忙しい姿を見せてきたことや、自宅から牧草地までの超悪路のせいだと思っている。

代々農業を営んできた夫の一族には、実は「当家は農業を営み、生計を立てること」という家憲があるが、彼自身は「もう俺の代で終わるから、少しは寂しい気持ちはあるけれど仕方ない」と割り切っている。一方の妻は、牛が大好きなため、今でも未練があるのだそう。「続けられなかったのがご先祖様に申し訳ない」「テレビとかで酪農の風景を見るでしょ。そうするとやっぱり心が動きますよ。まだまだやりたいって」と本音を明かした。

夫婦は、酪農業を辞めて3年が経った今も、借主が現れることを願って、広大な牧草地を管理中。もしも借主が見つからなければ、牧草地を林に戻さなければならないが、それも仕方がないことと考え、それまでは荒れないように1年に1回は牧草を刈っている。

そんな中で夫は、忙しさからできなかった夫婦旅行がしたいのだとか。行き先は、「2人でいれれば、どこでもいい」とのこと。「今の普通でいいです。このままでいいです」と笑う妻を彼が説得し、2人で知らない土地を旅する日は、きっと近いかもしれない。

なお、群馬県の元・酪農家夫婦は、6月29日に放送されたバラエティ番組『ポツンと一軒家』(ABCテレビ)で紹介された。長年酪農に尽くしてきた2人に、スタジオ一同は感動。「お2人の関係が素晴らしいですね、牛でつながっていて。お仕事にすごい誇りを持って」といった声があがった。

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