「親はこどもを黙って見てやるのが一番」。尼崎に生まれ、万博とともに歩んだ三つ子少年…67歳になったワンパクトリオの人生とは!?
1970年に開催された大阪万博から早55年…。万博開催前の1957年に、兵庫県尼崎市で生まれた一卵性の三つ子の兄弟は、昭和、平成、令和の3つの時代を駆け抜けて、今どう生きているのか? 現在67歳の兄弟に、カメラが迫った。
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ワンパクトリオこと三つ子の兄弟は、1957年に兵庫県尼崎市で誕生。未熟児で生まれた3人は、その後すくすくと育ち、あっという間に小学校に入学した。1番目のユキちゃん(貞行さん)は兄弟一のワンパク、2番目のミッちゃん(貞光さん)は才気煥発、3番目のアキちゃん(貞成さん)は、おっとりしているように見えてなかなかの曲者。ABCテレビは、そんなワンパクトリオがのびのび遊んでいる姿などを取材し、彼らのドキュメンタリー番組を1964年に放送した。
ドキュメンタリー番組の放送から60年以上が経ち、ワンパクトリオは67歳に。アキちゃんは、自身の子ども時代について「大人しいというか、人との交わりが苦手でね。あんまりしゃべらなかった」とポツリ。ユキちゃんは「小さいときにバスに乗って(幼稚園に)行くんですけども、嫌で泣いた」と振り返った。対照的にミッちゃんは「悲しいもへったくれも、全然何も感じんかった」とのこと。見た目はそっくりだったのに、それぞれ感じていたことは違ったため、「不思議や」と3人は笑いあった。
ワンパクトリオはそれぞれ結婚し、今では子どもだけでなく孫もいる。ユキちゃんは、建設会社で定年退職後も嘱託職員として勤務。ミッちゃんは、観葉植物などの卸会社に30年以上勤め、定年を迎えた今も同じ会社で週に3日働いている。アキちゃんは、金属加工の会社に長年勤めており、現在は妻と2人暮らし。東京で暮らす孫の写真を見ることが、毎日の楽しみなのだとか。
自由奔放な子ども時代を過ごして、大人になって子育てを終え、孫の成長を喜ぶ年齢になったワンパクトリオ。彼らは、高度経済成長期に自分たちをのびのび育ててくれた両親に感謝している。「親がどれだけ苦労したか今にしてわかります」「やかましく言わないというか、言えない状況やね」「子どもは子どもの世界で生きられた。そこに親はあまりタッチしてこなかったし、できなかった。それが良かったんかな。時代が良かったんかなっていう気はします」と振り返った。
過去の経験からワンパクトリオが思うことは、「今の時代に合った生き方をせなアカンけど、個性のある子どもを見守ってやる」こと。「子どもをよく見て、その子どもの個性を伸ばしてやるような。やっぱり、黙って見てやるのが一番」という思いは、3人同じのようだ。
なお、ワンパクトリオの今と昔は、5月5日にABCテレビで放送された番組『1970→2025 万博が“つなぐ”関西の半世紀』の第2回「ワンパクトリオ」で紹介された。
