大阪・梅田の地上27階に非日常の“安らぎ空間”を!うめきたエリアに誕生した新ホテル 開業までの奮闘の3か月にカメラが密着!
3月21日、JR大阪駅北側の「グラングリーン大阪」に誕生した「ホテル阪急グランレスパイア大阪」。開業までの日々に取材班が密着し、“大人の安らぎ空間”を作り上げるホテルスタッフの奮闘を追いました。
開業3か月前の昨年12月24日、ホテルの一角に設けられた開業準備室で忙しく立ち働いていたのは、「阪急阪神ホテルズ」の植田詩織さん(36)。2007年に入社し、開業部門で4軒のホテルの開業に関わってきました。
そんな植田さんが「グランレスパイア大阪」の開業で手がけるのが「クラブラウンジ」のプロデュース。上層階のクラブフロアの宿泊客だけが利用できるラウンジで、お酒をはじめとする100種類以上のドリンクや軽食を用意し、大人がゆったりとくつろげるバーのような空間を目指しています。
しかし、「グランレスパイア大阪」は宿泊に特化したホテルのため、飲食部門のスタッフが配置されていません。おもてなしのメニューを考えるのも開業メンバーの仕事。飲食部門で働いた経験のない植田さんにとって、初めてのチャレンジとなります。
クラブラウンジをどんなメニューで彩るのか?開業2か月前、国内外から集めたさまざまな軽食を試しながらラインナップを探る“試食会”が行われました。「すごい食べやすい!」「めっちゃおいしいです!」と盛り上がりながらも、真剣な眼差しで試食を重ねる植田さん。
そんななか、「見てどこの(メーカーの)ものかわからない」商品をオーダーした植田さん。宿泊客が非日常を楽しむクラブラウンジに普段見慣れた商品が並んでいれば、日常感が出てきてしまいます。「こんなのあるんだ」「普段食べないけどおいしい」と胸躍るものを提供する。それが植田さんのこだわりです。
開業1か月前、テーブルなどが搬入された27階のクラブラウンジで慌ただしく動き回る植田さんの姿がありました。この日は社内のプレゼン会。植田さんらが選定した軽食メニューをグループのほかのホテルやレストランの業務に携わる“ホテルの食のプロ”にお披露目し、評価してもらうのです。
ラインナップは概ね好評でしたが、プロならではの厳しい指摘も。見栄えを重視し、大きなガラス容器のめいっぱいまで入れていたナッツは、その日余れば廃棄処分となり、無駄になるため見直しの対象に。ドリップコーヒーのように抽出する「飲むお出汁」も作り方がわかりにくいとの声があがるなど、運用面に課題が残りました。
【動画】隣に開業したスパ施設「うめきた温泉 蓮」や東京・青山の人気フレンチシェフが手がけるレストランとも提携。専用通路でホテルと行き来できます。
開業まであと18日。この日は関係者を招待し、お客さんとしてホテルに泊まってもらう「試泊会」です。夜のクラブラウンジは、大きな窓から大阪の夜景が一望。この美しい眺めが映えるよう、照明は暗めに設定されています。
ですが、その影響で食器などが置かれたテーブル下の棚が見えにくくなり、取り出すときに戸惑うお客さんも。急遽、別の棚に置いていたライトを移して改善をはかりましたが、明るくすれば今度は夜景が見えづらくなります。こだわりの部分は崩さず、この空間を楽しんでもらう最適な方法は…?植田さんたちの試行錯誤は続きます。
そしていよいよ開業当日。作り方がわかりにくいと指摘された「飲むお出汁」のそばに手順を示したポップを置くなど、さまざまな改善を重ね、一丸となって準備を進めてきた植田さんら開業メンバーチーム。お客さんの反応は「疲れが取れて癒される」「スタッフの笑顔がいい」など上々です。
この日を迎えた気持ちを聞いてみると、無事に開業できた安堵感よりも「動き出した」という思いが強い、と植田さん。お客さんに快適な空間を存分に楽しんでもらい、「次もここに泊まろうかな、と思ってもらえるきっかけになれば」と意気込みを話してくれました。
新ホテル開業に向けたスタッフの奮闘は、3月24日(月)放送の『newsおかえり』(ABCテレビ 毎週月曜〜金曜午後3:40〜)で紹介しました。
