「いつも妻がそばにおるような…」独学でスマホアプリを開発する76歳男性が作った 亡き妻との思い出に捧げる“新作”

ABCテレビの夕方のニュース『newsおかえり』で過去に放送された特集企画と、YouTube公式チャンネル『ABCテレビニュース』の特集動画から選りすぐりの作品をお届けする番組『newsおかえり&YouTube傑作選』。3月24日(月)は「76歳でアプリ開発 亡き妻との思い出を」「夫婦で支え合う“人情だし巻き屋さん”」の2本を放送した。

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「76歳でアプリ開発 亡き妻との思い出を」(2025年3月2日配信)では、定年退職をきっかけに独学でアプリ開発を始めた男性を取材した。

京都府福知山市に住む平尾奨さん(76)の趣味は「アプリ開発」。高校の英語教師を65歳で定年退職し、趣味の登山で使う地図アプリを開発しようと独学で勉強を開始。この10年で27個のアプリを開発し、全国の“道の駅”の地図や情報を網羅した「道の駅アプリ」は16万ダウンロードの大ヒットを記録した。

地図や天気のアプリを手がけてきた平尾さんが、去年12月、これまでとは違った新たなアプリをリリースした。それは、写真が保存できる「日記アプリ」。その背景には大切な人との別れがあったという。

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去年5月、53年連れ添った妻・初美さんが急逝。いつも平尾さんを支え、アプリの開発を応援してくれた妻との突然の別れを振り返り、「もっと幸せな人生にしてあげたかった」と涙を拭う平尾さんから、深い悲しみがあふれ出す。

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そんな最愛の妻への思いから生まれたのが「日記アプリ」。家族のアルバムを見ていたとき、この思い出を常に自分の手元に置いておけないかと考え、開発を思いついたという。

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約半年かけて完成させたアプリには、アルバムから取り込んだ53年分の初美さんとの思い出が。若いころの弾けるような笑顔や、かわいい花嫁姿、夫婦で出かけた登山や旅行の思い出も…。「いつも妻がそばにおるような」「アプリを作ったことを喜んでくれると思う」と話す平尾さんは、スマホの中の笑顔の初美さんに「写真見たらチューしたくなっちゃう」と恥ずかしそうに笑った。

「人情だし巻き屋さん」(『newsおかえり』2024年3月25日放送)では、安くてボリューム満点の弁当が大好評の“だし巻き屋さん”の一日に密着した。

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京都市上京区にある「だし巻き乃 柴半」は、店主の川合健一さん(52)と妻の真奈美さん(65)が夫婦で切り盛りするだし巻き専門店。だしがきいてふわふわの“だし巻き”は1本450円だ。

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昼には弁当も提供しており、チキン南蛮やハンバーグなどの日替わりおかずにご飯、さらに看板商品とほぼ同じサイズのだし巻きが丸ごと1本ついて値段は550円。安すぎるようにも思えるが、だし巻きが一切れや二切れ程度では、自慢のおいしさを十分に伝えきれないと“1本付け”にこだわっているという。

川合さん夫妻は、健一さんが20歳のころに出会い、まもなく結婚。その5年後には居酒屋を始め、15年前に「柴半」をオープン。二人三脚でがんばってきた仲のいい夫婦に、思わぬ“秘密”があることがやがて明らかになる。

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「(夫に)絶対に言わないで」と真奈美さんが取材班に堅く口止めしたその秘密とは、2人の結婚写真が「今はもうない」こと。20年ほど前、健一さんのあることに腹を立てた真奈美さんが、怒りにまかせて「ビリビリに破いて」捨ててしまったという。

このことを夫に告げるタイミングを20年も逃し続けてきた真奈美さん。しかし、いつまでも隠しおくわけにはいかないと覚悟を決め、ついにカメラの前で“結婚写真ビリビリ事件”を健一さんに打ち明けた。

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これを「ハハハハ!そうなん」と拍子抜けするほど豪快に笑い飛ばした健一さんもまた、自らの壮絶な過去を告白。若いころにギャンブルで作った大きな借金を真奈美さんの協力で完済し、ホッとしたのもつかの間、その直後に交通事故で大けがを負い、懸命のリハビリを経て仕事に復帰しました…。

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当時の苦労を思い出し、思わず涙する真奈美さんを「泣かんでええやん」となだめる健一さん。ともに苦楽を乗り越えてきた夫婦が作る愛情たっぷりのだし巻きは、今日も多くの人を笑顔にしている。

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