もしも万博会場で南海トラフ巨大地震に襲われたら…地震津波対策の専門家が指摘する、絶対に注意すべき“3つのポイント”

ABCテレビの夕方のニュース『newsおかえり』で過去に放送された特集企画と、YouTube公式チャンネル『ABCテレビニュース』の特集動画から選りすぐりの作品をお届けする番組『newsおかえり&YouTube傑作選』。3月17日(月)は「万博期間中に南海トラフ地震が起きたら」と「#推しごと拝見 白バイ隊員に密着」の2本を放送した。

「万博期間中に南海トラフ地震が起きたら」(『newsおかえり』2024年10月22日放送)では、開催まであと1か月を切った大阪・関西万博の会場で巨大地震に遭遇した場合を想定し、気をつけるべきことを紹介した。

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近年、発生への懸念が高まっている「南海トラフ巨大地震」。想定される最大震度は7、マグニチュードは9.1。太平洋沿岸の広い地域に10メートルを超す津波が押し寄せ、最悪の場合、死者は32万3000人にのぼると見込まれている。

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そんな巨大地震が万博の開催期間中に発生したら、一体のどんなことが起こるのか?大阪府の地震津波対策チームのトップを務める関西大学 社会安全学部特任教授・河田恵昭さんに会場で注意すべき“3つのポイント”を聞いた。

1つ目のポイントは「パビリオン」での行動。会場の舞洲で想定される震度6弱は「何かにつかまらないと立っていられないほどの揺れ」。パビリオンのような広い空間では「中にいる人がサイコロみたいに転がることになる」とのこと。また、河田さんは「人との接触」が大きなケガにつながると指摘する。

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これを防ぐため、揺れたときにすぐに取るべき行動は、体が飛ばされないよう「地べたに伏せる」こと。両手両足を広げ、床に這いつくばるような姿勢が最適で、家族や友人などグループで訪れていた場合、一カ所に集まって手をつなぐなど「バラバラにならない」工夫も大事だという。

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2つ目は「浸水の危険」。人工島である万博会場は海面からおよそ11メートルかさ上げして作られており、舞洲で想定される津波の高さ“5.4メートル”より高い。そのため、安全が確保されているようにも思えるが、河田さんは別のリスクを懸念しているという。

南海トラフ地震の津波は、6時間もの間、くり返し押し寄せてくると予想されている。この影響で護岸が崩れ、埋め立て地の土砂が流出して会場に海水が流れ込むおそれがあるというのだ。そうなると、人工島の周辺部は極めて危険。河田さんは、海からなるべく離れた「会場の中央部」への避難を強く勧める。

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3つ目は「持ち物」。会場に持っていく物も、万が一への備えが必要という。万博会場でも、緊急事態を想定して食料等が用意されているというが、人の多さや会場の広さなどで配布がスムーズに回らず、すぐには手に入らない可能性も。すぐ口にできるような飲み物や食べ物をバッグに入れておくと安心だ。

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また、地震発生直後は交通が麻痺して外に出られず、2〜3日は舞洲に留まることになるかもしれないため、スペアのメガネや常備薬などの備えも欠かせない。災害に巻き込まれることも想定したひとりひとりの心構えと「普段から必要な情報を知っておくこと」が災害時の安全につながるのだ。

「#推しごと拝見 白バイ隊員に密着」(『newsおかえり』2025年1月20日放送)では、全国2位の実力を備えた兵庫県警の白バイ隊員の日常を取材した。

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兵庫県警交通機動隊に所属する橋本杏香巡査(25)は、県警の白バイ隊員およそ190人中、現在9人しかいない“白バイ特別訓練員”。高い運転技術と資質を認められ、大会などに出場する精鋭部隊だ。

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2024年10月に開催された「全国白バイ安全運転競技大会」では個人総合で2位に入賞。次は優勝が期待されているとあり、気合い十分の訓練の様子をカメラが追う。

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「ファイトォォ!」。勇ましいかけ声とともに走り出し、身長150cmの小柄な身体で総重量300キロの大型バイクを駆る橋本さん。転倒しても「負けへん」とつぶやいてすぐに立て直すド根性と、強いハートが頼もしい。

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密着取材では、そんな厳しい訓練をいかした街頭パトロールの様子や、恒例行事の「年頭視閲式」で披露したテクニカル走行の模様も。橋本さんら白バイ特別訓練員チームが鍛え抜かれた運転技術で見せる、一糸乱れぬ見事なライディングは必見だ。

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