救急車すら道に迷う『ポツンと一軒家』で血まみれ転倒事故 80歳家主「妻の分も長生きしようと…」
先祖代々続くミカン畑を守る80歳男性は、約20年前に妻に先立たれてしまった。それ以来彼は、熊本県の山奥にポツンと佇む一軒家で一人暮らし中だ。あまりにも山奥なため、彼が事故で大ケガを負っても、救急車が“ポツンと一軒家”までなかなかたどり着けなかったという。
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熊本県のポツンと一軒家は、車1台がやっと通れるレベルの、非常に細い山道の先にある。山道の左側は崖になっており、捜索隊は「この先に(人が)住んでいるとは到底思えない」「家があるなんて思わない」「これ、夜とかめっちゃ怖い」「ずっと左が超怖い」などと、冷や汗をかきながら車を走らせ、なんとかポツンと一軒家にたどり着いた。
生家であるポツンと一軒家の家主は、80歳の男性だ。7人兄弟の長男である男性は、祖父の代に始めたというミカン畑も守っている。高齢でありながら、「剪定(せんてい)から消毒、肥料やりから全部1人でやっている」ほか、ポツンと一軒家までの険しい山道の整備も、1人かつ自力で行っているというのだから驚きだ。
ミカン畑は急斜面にあるため、家主はかつて作業中に梯子から転倒し、頭を打って大ケガをしたことがあるのだとか。彼は、「頭を触ったら血が見えて。娘が飛んできて、救急車を呼んで……」と、当時の状況を捜索隊に語った。ポツンと一軒家までの山道にはいくつも分岐があり、救急車が迷ってなかなかたどり着かなかったという。この事故をきっかけに家主は、山道の途中に自宅までの案内板を設置したそうだ。
そんな家主が妻を失ったのは、今から約20年前。妻はまだ51歳だった。料理好きで真面目だった妻は、家主のために毎日弁当を作り、病気の義母の面倒も見たという。「もう感謝ですね」「親(の死)はもう歳だからしょうがないと思ったけど……まだ51歳だったから。今からやって時だった」と、妻の早世を残念がる家主。さらに彼は、「妻の分も長生きしようと思う」「なるだけこの家を1日でも長く守らないと。せっかく先祖が苦労して造ってくれた家だから。まあ出来たらあと10年くらいは生きられれば」と語った。
たった1人でも、山奥で何かと生活が不便でも、「住み慣れたところがよか」と語るポツンと一軒家の家主。近くの麓町に、家族が住んでいるという安心感もあって、彼は1人でなんとか暮らせているという。年を取るごとに苦労は増えるが、それでも亡き妻との思い出とともに生き、ポツンと一軒家とミカン畑を守っていきたいそうだ。なお、彼の暮らしぶりは、3月9日に放送されたバラエティ番組『ポツンと一軒家』(ABCテレビ)で紹介された。
