「真っ赤なウソ」「算数ができないのか」備蓄米放出でも高騰続く…!? 政府の対応を元・農水官僚が問題視
米の価格高騰が続く中、農林水産省は政府の備蓄米を市場に放出する方針を正式発表! これで米は安く……ならない!? 農林水産省の元官僚がその理由を解説し、政府の対応を問題視した。
【動画】京大教授、まさかの失態で2週連続欠席 「見かけたら、アホかと言ってあげてください」東野幸治イジる
2024年7月頃から米が品薄になったが、9月に農林水産大臣が、「新米が流通すれば価格は一定水準に落ち着く」ということで、備蓄米を放出しなかったことが記憶に新しい。農林水産省の元官僚で農政アナリストの山下一仁氏いわく、その裏には、「備蓄米を放出すると供給が増えて米価が下がる」ことを嫌がる政府の思惑があったという。山下氏によると、政府は備蓄米を放出しない代わりに、「10月から1年間かけて消費するやつ(=24年産米)を、(2024年の)8・9月に40万トン先食いした」そうだ。
先食いは応急処置であり、これで「落ち着く」ことはもちろんない。そこで農林水産大臣はようやく、備蓄米を21トン放出すると2025年2月14日に発表した。この対策は、2024年の米の生産量が前年から約18万トン増えた一方で、集荷量が約21万トン減ったというデータから、同じ量の備蓄米を放出するというものだ。しかし、そもそもこのデータは辻褄が合わない。山下氏は、これが正しいのなら、差し引き39万トンの米が所在不明となると説明し、「農林水産省が本当に計算できているか、算数ができないのか……」と笑った。
あくまでも農林水産省は、「米は足りているが、流通量が減ったので価格が高騰している」と主張しているが、これを山下氏は真っ向から否定。「農水省の説明は真っ赤なウソ! 『米不足を認めたくない』だけ」と語った。大蔵省(現・財務省)の元官僚で経済学者の髙橋洋一氏も、「『米は足りているが』って、だいだいこういうときにはね、最初の「~が」っていうのが怪しんだよね」とニッコリ。「価格だけ見たら、供給が減っているっていうのは明らか」と指摘した。
通常米は生産者から集荷業者、卸売店などを通して消費者に届くが、政府は今回の備蓄米を卸業者ではなく、大手集荷業者に納める予定だ。山下氏はこの集荷業者を、農林水産省の天下り先だと考えているため、「市場に供給を増やしたいのであれば、スーパーや小売店に一番近いところにある卸業者に販売すべき」とコメント。備蓄米を放出したところで、政府関係者の利益になり、「米の価格は下がらない可能性がある」と不安視した。
なお、これら深刻な“令和の米騒動”は、情報バラエティ番組『教えて!ニュースライブ 正義のミカタ』(ABCテレビ)2月15日放送回で紹介された。
