「クビになるかも」衝撃告白に当時妻は…元ロッテ2児のパパ、プロ野球合同引退試合「THE LAST GAME」で夢をかなえる
プロ野球合同引退試合「THE LAST GAME」には、有終の美を飾れなかった元プロ野球選手たちの知られざるドラマがあった。その主役の1人が、千葉ロッテマリーンズの元選手・青松慶侑氏だ。現在2児の父である彼は、苦しい現役時代に妻から言われた言葉が今でも忘れられない。青松氏が再びグラウンドに立った理由とは……?
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プロ野球の世界を離れる選手は、毎年100人以上もいる。その中で引退試合ができる選手は、残念ながらほんの一握りしかいない。「THE LAST GAME」は、そんな元プロ野球選手たちの引退セレモニーを兼ねた特別試合だ。2024年度のTHE LAST GAMEは、12月24日にバンテリンドーム ナゴヤで行われ、2025年1月4日にその様子がABCテレビで放送された。
久しぶりにユニフォームに袖を通した選手たちは、どこか落ち着かない。青松慶侑氏もその1人だ。青松氏は、高校卒業後に千葉ロッテマリーンズに入団。12年のプロ生活において、一軍選手として出場できたのは26試合しかなく、2016年に戦力外となった。引退後はソニー生命保険に入社し、38歳の現在は営業所長としてバリバリ働いている。
「妻と出会ったからプロで12年できた」「二軍暮らしが長かったので、妻からするといろんな不安があったと思うけど、ネガティブなことは一切言われなかった」と語る青松氏。苦しかった現役時代に、彼が「もしかしたら今年でクビになるかも」とこぼすと、妻は「いいんじゃない。私が支えるから」と励ましたという。青松氏は、今でもこの言葉が忘れられないでいる。
妻に感謝を伝えること以外にも、青松氏にはTHE LAST GAMEに出場する理由があった。それは、引退してから生まれた5歳と3歳の娘たちに自分の勇姿を見せたいから。彼には、「子どもに野球をやっている姿を見せられるまで現役をやりたい」という、果たせなかった夢があったのだ。
初めて見るユニフォーム姿の青松氏のことを、娘たちは「パパ頑張れ~!」と全力応援! 子どもたちと一緒に青松氏を見守る妻の眼差しは、あの頃と変わらず優しい。そんな愛する家族のエールを受けた青松氏は、フルスイングで見事ボールを捉えた! 彼の打球は天高くグングンと伸びていったが、残念ながらライトフライという結果に。しかし、全力のスイングを家族に見せることができたため、青松氏の表情は晴れやかだった。
試合後に青松氏は娘たちを抱きしめて、「一番現役中に夢見たのが、子どもに野球をしている姿を見てもらってグラウンドから手を振るっていう。今、夢がかないました」とニッコリ。そして妻へ、「応援に来ていただいて、ありがとうございました。現役中も支えていただいて、ありがとうございます。これからもよろしくお願いします」と感謝した。THE LAST GAMEは、青松一家4人にとって忘れられない思い出になったことだろう。