全員が“在宅勤務”する一級建築士事務所 社長をしつつ母として3人兄弟を育て「家事を手放した」決断 ユニークな仕事ぶりを紹介

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思わず推したくなる人たちのお仕事に密着する「#推しごと拝見」。今回は、自然にやさしい建築で未来をつくる一級建築士の1日をのぞいてみました。

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兵庫県明石市に住む奥田智恵子さん(47)はキャリア20年の一級建築士。一日の始まりは、子どもたちの朝食作りから。奥田さんは高校2年の志士丸さん、中学2年の寿丸さん、小学3年の武丸くんの3人兄弟のお母さんです。

自宅は自ら設計。なかでもキッチンはこだわりが満載です。ダイニングテーブルをキッチンの延長線上に作り、出来た料理をそのまま出せるようにするなど、使いやすい工夫が凝らされています。

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息子たちを学校に送り出した後は、自宅と同じ建物の中にある「一級建築士事務所 わびすき」に出勤。奥田さんが代表を務めるこの事務所には、4人の女性建築士が所属していますが、誰も出勤してきません。「わびすき」は全員が“在宅勤務”。たとえば子どもが熱を出して学校を休んだとき、自宅で看病しながら仕事ができるなど、在宅のメリットは大きいといいます。

【動画】「わびすき」とは、お茶の理念を表す言葉で、身の回りにある素朴なものを工夫し、美しくして暮らすのを好む人という意味。

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家作りにも、そしてスタッフに対してもあふれる奥田さんのやさしさの原点は、バックパッカーで20以上の国を巡っていた大学時代まで遡ります。インドネシアのバリ島で出会った、急斜面に建つ美しい竹の建築。なぜここに建てたのか?とたずねると、オーナーは「そこに竹があったから」と答えました。

「そこにあるもので作る、そこに戻っていく」という考え方に「これこそがあるべき姿」と衝撃を受けた奥田さん。自然を壊さず、ありのままを活かすーーこれが彼女の目指す建築の理想となりました。

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午後、奥田さんが訪ねたのは、設計を担当した松山さんのお宅。壁に使われているのは和紙や漆喰。吸湿性があるため、梅雨の時期にもカラッと快適に過ごせるうえ、ビニール製品に比べて土に還りやすい素材です。また、リビングとバルコニーの間は段差をなくし、愛犬が行き来しやすい工夫も。住む人を思う奥田さんの思いが詰まっています。

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夕方、オフィスでまだ仕事中の奥田さん。一方、キッチンにはエプロン姿の女性が…。この方は家事代行サービスのスタッフ。毎日時間が決まっている夕食の準備は仕事との両立が大変。そこで「家事を手放した」という奥田さんは夕食作りの代行をお願いし、仕事をまっとうする決断をしたといいます。

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夜は、家族と食卓を囲んで夕食。ここで楽しそうな3人の息子たちをながめるのが「毎日の癒し」と奥田さん。建築士、事務所の社長、お母さんと「3足のわらじ」を履き分け、エネルギッシュに活躍する彼女のバイタリティーには、夫の潤さんも脱帽だと話します。

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別の日に向かったのは兵庫県の稲美町。去年10月に奥田さんがオープンさせた、建築現場で余った材料を格安で販売するリユースショップです。廃棄される運命だった塗料やタイル、ドアなどさまざまな資材を35以上の会社から預かって販売し、建築資材ロスの解消にも貢献しています。

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住む人も、一緒に働く人も巻き込んでやさしさの輪を広げる奥田さん。あなたにとって“推しごと”とは?という問いには「私が見たい未来を作る作業」「(その未来に)共感してもらうのを今の仕事にできているので、とても幸せ」と充実感に満ちた表情で答えてくれました。

一級建築士のお仕事密着は11月4日(月)放送の『newsおかえり』(毎週月曜〜金曜午後3:40〜)「#推しごと拝見」コーナーで紹介しました。

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