対・新型コロナ「レプリコンワクチン」接種で入店拒否…空気感染する? 安全なの? 専門家が解説
新型コロナウイルス感染症の新しいワクチン、通称「レプリコンワクチン」を、不安視する声が続出している。「接種すると他者に空気感染させる」というウワサや、店舗が接種者を入店拒否する事例があるほか、日本看護倫理学会が同ワクチンの安全性を懸念しているのだ。はたして、レプリコンワクチンは接種した方がいいのか、それとも……?
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話題のレプリコンワクチンとは、日本の製薬会社・Meiji Seika ファルマが製造販売する「次世代mRNAワクチン」のこと。接種すると、メッセンジャーRNA(mRNA)が体内で自己増幅することが最大の特徴だ。mRNAの研究をする東京科学大学の教授・内田智士氏いわく、レプリコンワクチンのメリットは、「少ないワクチンでも効果が長続きするところ。次にパンデミックが起きたときに役立つ技術」だという。
そんなレプリコンワクチンは、実用化されたばかりで、従来のワクチンに比べると接種者も情報も少ない。こうした情報の少なさゆえの不安から、飲食店や美容室、ヨガスタジオなどで、レプリコンワクチン接種者の入店を拒否する事例が相次いでいる。また、日本看護倫理学会が、「自分のみならず周囲の人々に影響を与える可能性がある」と緊急声明を発表したことも、世間に混乱が生じている原因の1つだ。
こうした根拠のない憶測や誤った情報を、Meiji Seika ファルマは否定。厚生労働省も、「ワクチン成分が他者に伝播し、健康被害が生じるという科学的知見はない」と会見で発表し、安全性を強調した。これには内田氏も同意見だ。他人への感染率は、「限りなくゼロに近い」とし、「治験数の少なさから不安視する医療従事者も多い。ただ、科学的に根拠の薄い情報を無責任に広めることはワクチン開発遅れの原因になる」と語った。
さらに内田氏は、「(レプリコンワクチンは)原理的には安全に作られているが、100%安全なワクチンなどない。今あえて打つかどうかは慎重になってもいい」とコメント。ワクチンの副反応や後遺症に苦しむ人々がいる現状を理解しているうえで、「ワクチンによる病気の予防効果と、副反応のリスクをきちんと考えて、冷静に判断してほしい」と、視聴者に呼びかけた。
なお、レプリコンワクチンにまつわるさまざまな問題は、10月19日に放送された情報バラエティ番組『教えて!ニュースライブ 正義のミカタ』で紹介された。