創業70年“高架下のかき氷屋さん”が歴史に幕… 地元の人々に愛されてきた「氷 イチゴ」 最後の夏に密着!

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阪神電車の高架下にある創業70年のかき氷屋さん。地元の人に愛されてきたお店ですが、ある事情で閉店することに…。かき氷屋さんの“最後の夏”に密着しました。

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神戸市東灘区、阪神電車の御影駅からすぐの高架下にある「大西商店」。店主の大西啓公さん(76)は高校を卒業後、先代の父から家業を継ぎました。午前8時半、店に出勤した啓公さんの最初の仕事はかき氷の蜜づくり。レシピは父親譲りで、レトロなかき氷器も昭和30年代から使ってきたものです。

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創業70年、地元の人たちに愛されてきた店ですが、阪神電車の高架の耐震補強工事が決まり、来年2月で立ち退くことに。これに伴い、啓公さんは年内いっぱいで店の営業を終えることにしました。

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妻の恵子さん(71)も出勤し、午前10時に店を開けると、まもなく汗だくの男性が来店。大阪から自転車で1時間半かけてやってきたとのこと。40年前、神戸の大学に通っていたそうで、思い出の店を回っている途中に「大西商店」へ訪れました。

注文は「氷 イチゴ」。48時間以上かけて凍らせた純氷を削った、山盛りの氷に自家製の蜜をたっぷりかければ完成。「おいしい」と男性の頬も緩みます。

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続いてのお客さんは、50年ぶりにやって来たという女性。実家が近くにあり、「大西商店」のかき氷は「子どものころの思い出の味」だそう。そしてもう1人、学生時代から通っているという女性は「やっぱりここのが一番おいしい」とニッコリ。長年食べてきたかき氷も、今年の夏が最後です。

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夫婦で店を切り盛りする啓公さんと恵子さんが結婚したのは、昭和50年のこと。以来49年間、恵子さんはこの店で働いています。午後6時、店の一角をのぞいてみると、なぜか「うどん」をつくる恵子さんの姿が。

実はこれ、本日の晩ご飯。仕事が終わって家で食べると遅くなるため、夜は営業中に夫婦交代でとるのです。ゆっくりと食べている時間はなく、お客さんが来ればすぐに仕事に戻ります。この日も、たこ焼きの注文が入って食事は中断。うどんは伸びてしまいますが、「しゃあない」と恵子さんは笑います。

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たこ焼きを食べに来た馴染みの男性は、この近所で生まれ育った両親の「デートコースのひとつ」が「大西商店」だったという二代目のファン。啓公さんと恵子さんが守ってきた味には、たくさんの人の思い出が詰まっています。

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「真面目なだけが取り柄だから(夫婦)2人とも今までがんばってこられた」と恵子さん。閉店の午後8時まで夫婦でお店に立ち、翌日はまた10時から店を開ける。そんな毎日を続けてきました。

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明くる日、またお客さんがやってきます。練乳がいっぱいかかった氷イチゴに「おいしー」と大喜びの幼い男の子。小さいころから親しんできた「大西商店」のかき氷を、「子どもが大きくなったら食べさせたかった」と閉店を惜しむ赤ちゃん連れの女性…。

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年末に幕を下ろす“高架下のかき氷屋さん”。それまでは「やるだけのことをやるだけ。毎日ね、一所懸命やるだけ」と啓公さん。大西さん夫妻は、最後のその日まで走り続けます。

かき氷屋さんの“最後の夏”は8月2日(金)放送の『newsおかえり』(毎週月曜〜金曜午後3:40〜)の特集コーナーで紹介しました。

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