くも膜下出血で急逝した父との約束「必ず一勝」 新潟産大付トップバッター・戸嶋翔人、初の甲子園で果たす

天国で見守る父親との約束を、新潟産大付(新潟)のトップバッター・戸嶋翔人選手が果たした。生前の父親と戸嶋選手が交わした約束は、「甲子園に行ったら必ず一勝」。8月7日に開幕した「夏の甲子園(第106回全国高等学校野球選手権大会)」で、同大会初出場の新潟産大付が、強豪・花咲徳栄(埼玉)に逆転勝利した瞬間とは!

【動画】甲子園初出場の新潟産大付が優勝経験校に勝利! 天国の父に見守られながら、戸嶋翔人選手が初勝利を決めた胸熱な瞬間

春夏通じて甲子園初出場の新潟産大付で1番打者を務めるのは、3年生の戸嶋翔人選手。彼には、勝利を届けたい人がいる。

その相手は、戸嶋選手が高校入学直前にくも膜下出血で死去した父親。幼い頃から野球を指導してくれた父親と交わした、「甲子園に行ったら必ず一勝」という約束を、戸嶋選手はなんとしてでも果たしたいのだ。「お父さんがこの球場にいて見てくれているんだなっていう気持ちで、約束を胸に絶対に勝利へ導きたいです」と、戸嶋選手は試合前に語った。

そんな戸嶋選手ら新潟産大付ナインは、8回目の夏の甲子園出場を果たした花咲徳栄を、なんと1失点に抑え続けた。そして6回表に初得点し、花咲徳栄と同点に……!

その後の7回表、打席に立ったのは戸嶋選手! 新潟大会での打率が4割を越えた彼は、セカンドの頭上を越えるヒットを放ち、さらには50メートル走のタイムが5秒8という俊足を活かして、盗塁に成功。

勝利への思いが焦りにつながり、戸嶋選手はタッチアウトとなったが、彼の仲間たちが繋いでくれたおかげで、新潟産大付はさらに1点をとり、ついに花咲徳栄から勝ち越した! 1点リードで迎えた9回裏、最後のアウトを戸嶋選手の安定の守備で決め、新潟産大付は2対1で初勝利を飾った。

打撃・走塁・守備とあらゆる場面で活躍した戸嶋選手に、母親は応援席でうれし泣き。夫の遺影を抱きかかえながら、「やったよお父さん。翔人、頑張ったよ!」「『頑張ったな。やったな』と言っていると思います!」と、息子の初勝利を喜んだ。

もちろん、戸嶋選手も勝利に大喜び。「約束通りちゃんと1勝もしましたし、家に帰ったら仏壇の前に行って『お父さん、試合すごかったし、甲子園もすごかったよ』と伝えたいです」と笑顔でコメントした。

なお、この感動的な試合ハイライトは、8月9日に放送された「熱闘甲子園」で紹介された。

番組情報

熱闘甲子園
8月7日(水)〜決勝戦まで放送 ※変更の場合あり ※雨天等で全試合中止時は放送休止

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