「コロナ後遺症」で2年以上も寝たきりに… 最新の研究で判明した後遺症患者の“共通の特徴”とは?
新型コロナウイルスの感染拡大が収まった今も、後遺症に苦しむ人々が数多くいます。その症状や“治療”の実態、最新の研究でわかってきた「コロナ後遺症」の“ある特徴”などを取材しました。
神戸市に住む30代の女性・相澤めぐみさんは、一昨年2月に新型コロナに感染。後遺症を患い、ほぼ寝たきりの生活が続いています。
最初は微熱と喉に痛みがある程度の軽症でしたが、3週間経っても症状は改善しないどころかどんどん悪化。起き上がるのも辛くなり、病院で診察を受けたところ、コロナ後遺症と診断されました。
症状は、全身の倦怠感と強い疲労感。微熱や思考力の低下などが長期間続き、それがいつ収まるのかはわからないと医師に言われたそう。そのときの心境をめぐみさんは「目の前が真っ暗になりました。自分の人生終わったなと」と振り返ります。
東京を拠点に演歌歌手として活動していためぐみさん。「まずは自分の命が大事」と仕事をすべてキャンセルし、地元の神戸に戻ることを決めました。
それから2年以上、実家のベッドで過ごす毎日。体を起こすのも辛いため、食事も横になったままとります。食後は8種類もの薬やサプリを服用。症状に応じた薬で対処するほかない「薬のない病気」であるため、飲まなければならない薬が多いのも大きな負担です。
明確な治療法が確立されていないコロナ後遺症。その一方で、後遺症になる患者に“ある傾向”が見られることがわかってきました。厚生労働省の最新の研究で、女性や基礎疾患のある人、コロナの重症度が高かった人が後遺症になる割合が高く、ワクチンを接種した人は低かったことが明らかになったのです。
大阪・堺市にある「邦和病院」では、2021年春から新型コロナの後遺症外来を設置。これまでにのべ5800人以上の後遺症患者を診察してきた院長の和田邦雄医師によれば、特徴的な症状は倦怠感や脱力感、不眠、ブレインフォグです。
【動画】頭の中に霧がかかったような状態になり、思考力や記憶力、集中力が低下する「ブレインフォグ」はコロナ後遺症に多い症状。
そして、もうひとつの特徴が、一旦症状が落ち着いたと油断して仕事などの活動を再開すると「またぶり返す」こと。そのため、邦和病院では漢方薬での対処療法と併せ、患者に十分な「休息」をとるよう求めています。
後遺症外来に通う50代の女性は、去年の元日に新型コロナに感染。後遺症で起き上がれなくなり、仕事も辞めざるを得なくなりました。しかし、治療を続けておよそ1年、症状が改善したり、また戻ったりをくり返しながら、最近、ようやく体調が安定し始めたといいます。罹患前の日常を取り戻すまで、あと一歩です。
一方、寝たきりの生活が続いていためぐみさんにも回復の兆しが…。
コロナ後遺症の実態と最新の研究は『newsおかえり』(毎週月曜〜金曜午後3:40〜)の特集コーナーで紹介しました。動画をABCテレビニュースの公式チャンネルで公開中