オシャレな「茶筌(ちゃせん)」が大反響 530年の歴史を誇る伝統工芸品に海外からも注文が 奈良県生駒市で作られる“高山茶筌”を作る夫婦

©ABCテレビ

茶道で使う茶筌(ちゃせん)は、抹茶をなめらかにかき混ぜるため室町時代に発明された繊細な道具。その一大産地が奈良県生駒市の高山町にあります。この地で作られる“高山茶筌”は530年の歴史を誇る伝統工芸品で、国内生産の9割以上を占めています。

代々、高山茶筌を作る「翠華園谷村彌三郎商店」は1908年創業の老舗。現在は三代目当主で彌三郎の名を継いだ父の谷村佳彦さんのもと、息子の圭一郎さんと妻のゆみさんが修業中です。

©ABCテレビ

裏山で長い時間をかけて育てた竹からデリケートな技法で作られる茶筌。繊細な美しさに目を奪われます。しかし、茶道人口の減少により、1970年代には50軒近くあった高山茶筌の業者も現在は16軒に減少。さらに、コロナ禍でお茶会がなくなったこともあって、谷村さんの家業はピンチに追い込まれます。

©ABCテレビ

そんな危機を救ったのが、圭一郎さんとゆみさんの立ち上げたオシャレな新ブランド「SUIKAEN」でした。父の佳彦さんは「格式を落とす」と反対しましたが、SNSで発信したところ、オシャレな茶筌は大反響。世界的な抹茶ブームも相まって、海外からも注文が舞い込むようになったのです。

「伝統を守るための革新の時期を迎えた」と語る圭一郎さん。「国際日本茶協会」に依頼されたイベントでは、大勢の外国人客に向けて茶筌について佳彦さんとともに語ります。

©ABCテレビ

新ブランドの「SUIKAEN」も少しずつ海外からの需要が高まっています。実はいま、空前の抹茶ブームが訪れているタイ。夫婦で開発した新スタイルの茶筌はどのように使われているのか、気になるところ。ゆみさんは新作を携え、タイに向かいました。大人気の抹茶カフェを訪れたゆみさんは、異国で味わう抹茶の美味しさに思いがこみ上げたのでした。

『LIFE~夢のカタチ~』は、午前11時から放送。(ABCテレビ/関西地域で放送、TVer見逃し配信あり)

©ABCテレビ
©ABCテレビ

翠華園 谷村彌三郎商店(奈良県生駒市)

番組情報

LIFE~夢のカタチ~
毎週(土)午前11時

関連記事

おすすめ記事 おすすめ記事