仏壇店の五代目が作る漆塗りのキャンプ道具が大人気! 同業者からは凄まじい非難 その時、頑固一徹な父がとった行動とは

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滋賀県長浜市で200年以上続く「カネイ中川仏壇」は仏壇や仏具の製造を手掛ける老舗仏壇店。その若き5代目、中川喜裕さんは漆塗り職人として仏壇をつくりながら、漆塗りのキャンプ製品を作り、漆の魅力を発信しています。

長浜の仏壇づくりは7工程に分かれており、中川仏壇は漆塗りと金箔押、組み上げを担っています。“塗師”と呼ばれる漆塗り職人の中川さん。仏壇の仕事の次に取り掛かるのは、漆のアウトドアブランド「GNU」のキャンプグッズです。漆は軽くて丈夫、耐水性と抗菌性に優れており、実はキャンプ道具に最適なのです。

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中川さんは両親と奥さん、子ども2人の6人家族。4代目の父は現役の塗師として共に働いています。大学を卒業してから各地の仏壇店で修業した中川さん。2017年に実家に戻りますが、仏壇の需要は激減、コロナ禍でますます危機的状況に。そんななか、キャンプが好きで、自分のナイフに漆を塗っていた中川さんは、「漆の良さを伝えたい」とインスタグラムに「アウトドアナイフに無料で漆を塗ります」と投稿。すると、大量のナイフが届いたのです。

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業界の常識を覆すような大胆すぎる行動に、同業者からは「高価な漆を無料でばら撒くような行為は言語道断」と、厳しい非難が寄せられました。しかし、頑固一徹な父からは何も言われませんでした。ひたすらナイフに漆を塗った中川さん。すると、受け取った人たちから感動と感謝の声が届いたのです。これをきっかけに、漆の魅力を発信したいと、2021年4月、「GNU」を立ち上げました。

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「漆の文化を次世代に継承したい」と、漆の魅力を発信する中川さん。そのなかで始まったのがNICU(新生児特定集中治療室)のプロジェクトです。病院の看護師さんから「NICUでは抗菌性の問題で木のおもちゃは持ち込めないが、抗菌性の高い漆を塗れば大丈夫」と依頼されました。現在、SNSで漆を塗る仲間を募集し、プロジェクトが進行中です。

さらに、製茶問屋と「アウトドアで日本茶を楽しめる漆の器」のコラボ企画も。

“塗師”中川さんの様々な挑戦は、7月6日 土曜 午前11時からの『LIFE~夢のカタチ~』でご紹介します。(ABCテレビ/関西地域で放送、TVer見逃し配信あり)

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【カネイ中川仏壇(GNU URUSHI CRAFT)】(滋賀県長浜市)

滋賀・長浜で伝統の仏壇の製造・販売・修復を手がけながら漆のキャンプギアを生む職人

番組情報

LIFE~夢のカタチ~
毎週(土)午前11時

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