新紙幣のせいで国民の負担増? またステルス増税? 経済効果の“裏側”を東大卒専門家が解説

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7月3日から発行される新紙幣によって、なんと最大で2.3兆円の経済効果が!? しかし、この経済効果は言い換えればただの国民負担!? 「『経済効果』という言葉に惑わされてはいけない!」と、東京大学出身の金融専門家が私見を述べた。

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「『経済効果』という言葉に惑わされてはいけない!」と指摘したのは、東大卒の社会的金融教育家・田内学氏。著書『きみのお金は誰のため: ボスが教えてくれた「お金の謎」と「社会のしくみ」』が、「読者が選ぶビジネス書グランプリ2024」や「Amazonベストセラーランキング」で総合第1位に輝いたことで話題になっている。

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田内氏が出演した情報バラエティ番組『教えて!ニュースライブ 正義のミカタ』(6月8日放送)では、新紙幣の発行によって2.3兆円の経済効果が期待されると紹介された。この金額の内訳は、新札の印刷費用、銀行ATM・自販機・両替機などの改修・買い替え費用、その他関連産業による費用だ。

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田内氏は、「2.3兆円分のお金が誰かから誰かに移っただけっていう話なんですよ。お金が増えたわけじゃない」とコメント。さらに、「(日本経済的には、)仕事が増えてGDPが上がってすごくいいと。だけどその2.3兆円、僕ら(国民)がこっそり負担している」と続けた。

その“国民負担”というのが、ATM改修コストで値上げする振込手数料、飲食店の食券自販機の更新費用(1台10~15万円ほど)などだ。こうした負担は、補助金や助成金で一部対応されるが、原資は税金である。そのため田内氏は、「お金=喜びの対価! 強制的に支払わされるものは、ステルスで税金を払わされているようなもの!」と主張した。

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「『経済的な負担ですよ』って言われたら、『少ない方がいいよね』ってみんな思う。でも、『経済効果』って言われたとたん、『数字おっきい方がええんちゃうか』『特需ちゃうか』って思っちゃうじゃないですか」と語った田内氏。続けて、「それをちゃんとわかっていないと、結局みんな働いて新しいモノ(=新紙幣)を作ったけど、そんなハッピーちゃうでっていう」と私見を述べた。

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なお、『教えて!ニュースライブ 正義のミカタ』は、動画配信サービスTVerで無料配信中。「特別編!おっかねーお金の話SP」と題した同番組の6月8日放送回では、急増する国際転売ヤーや、誰もが心配する「老後4000万円問題」についても学べる。

番組情報

教えて!ニュースライブ 正義のミカタ
毎週(土)あさ9:30

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