年間約1000人が入山!5回目のリピーターも!京都禅寺の厳しい“修行”に人々は何を求めて参加するのか?

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京都・亀岡市にある禅寺「宝泉寺」。修行を望む一般人を1泊数千円のお布施で基本3泊から受け入れていて、年間およそ1000人が修行に訪れます。なぜ修行するのか?そして何を得るのか?修行者の思いを取材しました。

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ゴールデンウィーク初日の4月27日、この日に入山したのは7人。修行は夕食の時間から始まります。ビデオで作法を習うと、先輩たちと一緒に食事。私語はもちろん、箸の音をたてるのすら厳禁です。

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姿勢を正し、周りに遅れないよう集中しながら食べる食事の時間はわずか4分。その張り詰めた雰囲気に「人生で一番楽しみのない食事と感じました」と圧倒される人がいる一方、「意外といけるかもしれない。考え事をする暇がなさそう」と手応えを感じる人も。

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食事が終わると、宝泉寺の住職・吉野克厳さんの説教が始まります。この世は決して思い通りにはならない。思い通りにしようとする心を捨てよ――住職の言葉を胸に刻みながら入山初日は暮れていきます。

翌朝の起床は5時すぎ。ゆったりとした太極拳の動きで体をリラックスさせた後、本格的な修行が始まります。

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まずは25分の座禅を3セット。体は決して動かず、自分の呼吸に集中します。続いては、朝ご飯。音を立てず、素早くいただいた後は読経の時間。正座で20分間唱え続け、立ち上がって合掌しますが、足がしびれて立てない人も…。

これが終わると、寺の掃除や奉仕活動などを2時間。すべては修行、無人になって一所懸命に取り組まなければいけません。

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昼から夕方までは自由時間。思い思いに過ごす修行者たちに話を聞いてみました。東京から7泊の予定で参加した26歳の男性はシステムエンジニア。なんと今回が5回目の入山というリピーターです。年に一度、ここでゆっくりと瞑想することで「向こう1年くらいは心が平穏になる」と修行の魅力を話してくれました。

【動画】「“無の境地”が知りたい」と参加した男性も。修行3日目、何を思うのか?

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大阪からやって来た29歳の男性は、30の節目を前に自分を見つめ直す機会にしたいと思っていたそう。ですが、禅の修行の目的は自分のことを考えるのではなく、「無心になること」。目の前のことに無心に取り組む修行生活から、新たな気づきを得たそうです。

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住職のお話を聞きながら熱心にメモを取っていたのは群馬から来た25歳の女性。3カ月の長い修行に臨んでいます。お寺に来る前は、職場の人間関係に悩んでいたという彼女。断れない性格で仕事を抱え込みすぎてしまい、心身共にボロボロになって仕事を辞めてしまいました。

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実はこの修行も母親に勝手に申し込まれ、嫌々ながらも逆らいきれずに参加したそう。最初は「1週間ももつか…」と不安でいっぱいでしたが、寺での生活も残り2週間となった今、「来てよかったと思っています」と笑顔を見せる彼女が修行を通して得たものとは?

禅修行に臨む人のさまざまな思いは『newsおかえり』(毎週月曜〜金曜午後3:40〜)の特集コーナーで紹介しました。動画をABCテレビニュースの公式チャンネルで公開中!

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