働くお母さんと子どもたちを笑顔にしたい!病気の子どもを預かる“病児保育”施設を自費で開設したベテラン小児科医・眞理子先生の思いとは?

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大阪府東大阪市、近鉄若江岩田駅のすぐ目の前にある「尾﨑医院」。小児科の名物ドクター・尾﨑眞理子先生(72)はこの道46年の大ベテラン。子どもたちを愛し続ける“なにわの人情小児科医”に密着しました。

朝9時、診察開始と同時にお母さんとやって来たのは小3の男の子。昨日から熱が高いそうです。診断は、今年、特に流行っているという“溶連菌”。「薬を飲んだら、すぐに熱も下がって元気になる」という先生の言葉に、少しホッとした表情になりました。

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続いては、初めてワクチンを受けにきた生後2カ月の男の子。大泣きする赤ちゃんに、先生は「よしっ、がんばれ」とやさしく声をかけながら注射を打ちます。

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地元の子どもやお母さんが絶大な信頼を寄せる眞理子先生は、中学のころ、シュヴァイツァー博士にあこがれて医者を志し、鳥取大学医学部に進学。27歳で小児科の医師になり、大学の付属病院で経験を積みました。まだまだ女性の医師が少ない時代、「二倍も三倍も仕事をすることによって、やっと認められた」と先生は当時を振り返ります。

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そして41歳のとき、同じ小児科医の夫の実家である尾﨑医院へ。以来、2人で診察をしていましたが、夫がこの春に体調を崩し、今は眞理子先生が1人でひっきりなしにやってくる子どもたちを診ています。

眞理子先生には子どもが2人。夫の実家で暮らしながら一男一女を育てました。子どもが小さいころは大阪市内の病院の勤務医だった眞理子先生と夫。ほとんど家に帰れないほど忙しく、自分の子どもが熱を出しても休めなかったそうです。

【動画】今は保健師として働く先生の長女にもインタビュー。一時は両親と同じ“医師の道”を考えたこともあったといいますが…。

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さて、尾﨑医院のすぐ近くには、眞理子先生が16年前に開設した「病児保育室・ウルル」があります。仕事をどうしても休めない親のために、病気の子どもを預かる施設で、いつも保育士や看護師がいるので安心。生後3カ月から小学3年生までの子どもが9時間2000円の料金で預けられます。

眞理子先生がこの施設を作った理由。それは40年前、昼夜問わず働いていたころの苦い経験からでした。当時4歳だった長男がおたふく風邪にかかり、座薬を入れて保育園に行かせていたところ急に高熱が。長男は髄膜炎を発症していたのです。

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「医師として、人間としても親としても妻としても最悪」と悔やんだ先生は、病気の子どもをしっかりと養生させながら預かる“病児保育”の必要性を痛感。併せて、「働くお母さんを支援したい」と子育て世代の親子が無料で遊べる施設「きらりっこ」も開設しました。

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2つの施設を作るのにかかったお金はおよそ8000万円。退職金や積み立てていた年金、貯金などを夫と一緒に工面し、費用にあてました。さらに8年前には、小さな保育所「キララ保育園」も開業。「思い立ったらやってしまう」と笑う眞理子先生を突き動かすものとは?

なにわの人情小児科医・眞理子先生の密着取材は『newsおかえり』(毎週月曜〜金曜午後3:40〜)の特集コーナーで紹介しました。

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