宿泊客の9割が外国人“西成の激安ホテル”は安いだけじゃない その魅力とは?1年半も住んでいる強者も!
かつては「ドヤ街」と呼ばれ、日雇い労働者でにぎわった大阪・西成。今、この町には、激安のホテルを求めて多くの外国人たちがやって来ます。破格の宿泊料だけではないその魅力とは?大人気のホテルを訪ねてみました。
JR新今宮駅にほど近い「ホテル東洋」は、なんと宿泊客の9割が外国人。シングル1泊1700円から、冷暖房付きは2100円という安さや、京都や奈良、和歌山へのアクセスも抜群とあり、120ある部屋は常に満室です。
この日、チェックインしたのはスコットランドからやって来た兄弟。「大阪で泊まるならここ」と友だちから勧められたといいます。案内されたのは、家具もない三畳一間の小さな部屋ですが、兄のジョーさんは「シンプルでいいですね」と気に入ったようです。
宿泊客の中には日本で“最高の思い出”を作ったと話すカップルも。アメリカ人のカールさんとアレクサスさんです。なんとカールさん、2人で富士山を眺めているときにアレクサスにプロポーズしたのだとか。「いい意味でショックだった」という彼女の答えは「イエス」。忘れられない日本の旅になりました。
30年ほど前は日雇い労働者が多く寝泊まりし、観光客の姿はほとんど見られなかった西成のあいりん地区。今は労働者が減り、新世界に近い簡易宿泊所は、外国人を受け入れるホテルへと生まれ変わりました。
ここ「東洋ホテル」も大浴場を個室のシャワールームに変えるなど、外国人に受け入れられるよう工夫をしてきました。「楽しい日本旅行になるようお手伝いできれば」と話す社長の浅田さんは、宿泊客同士の距離が近い「アットホーム」な雰囲気を大切にしているといいます。
そんなホテルの一番の特徴が、宿泊客が自由に集える「共有スペース」。この日は、アメリカ、イギリス、中国の宿泊客が食事をしながらおしゃべりを楽しんでいました。「いろんな国の人と出会えて楽しい」と笑顔を見せるのは、アメリカからやって来たナターシャさん。国の違いを超えてあっという間に仲よくなれるのがこのホテルの魅力です。
【動画】ホテルに近い“新世界”は人気のスポット。初めて訪れた外国人の感想は?
宿泊客のほとんどが観光目的ですが、ドイツからやって来たクレバさんは“ダンスレッスン”を受けるために日本に滞在中。本職は理学療法士ですが、ドイツでは地元の子どもたちにダンスを教えるヒップホップダンサーでもある彼女。動画で見た「日本のダンス」に惚れ込み、海を越えて習いに来たそうです。
一方、「ホテル東洋」に1年半も滞在している強者はオーストラリア人のノアさん。ここで暮らしながら大阪市内の英会話学校で講師をしています。以前は京都の小学校で英語を教えていたそうで、児童たちからもらったかわいらしい感謝のお手紙を「ホンマに宝物です」と大事そうに見せてくれたノアさん。これからも日本に住み続ける予定というノアさんの“夢”とは?
世界中の人から愛される西成の激安ホテルは『newsおかえり』(毎週月曜〜金曜午後3:40〜)の特集コーナーで紹介しました。動画をABCテレビニュースの公式チャンネルで公開中!