神戸・摩耶山で“ラピュタの壁”を探すロケは「過去イチ過酷」だった… 歴史は繰り返され、問題だって何度でも繰り返される!?
トレッキングでも人気だという神戸の摩耶山には、ジブリ映画『天空の城ラピュタ』に登場しそうな“ラピュタの壁”のようなものがあるという。A.B.C-Zの塚田僚一と、ABCテレビのアナウンサー・古川昌希が挑んだ“過去イチ過酷なロケ”とは?
目的の摩耶山に登るため新神戸へと降り立った2人。塚田は過去の「なんでやねん!?」で神戸と相性が良いらしく、スタートからテンション高めで「ごちそうさまです!」と自信満々の様子を見せる。
しかしそんな元気はどこへやら、摩耶山の山道は想像を遥かに凌ぐ険しさ。ガチ登山の様相に「なんでやねん!?のロケで過去イチかもしれない」と塚田は愚痴を吐きながら、上を目指して登っていく。険しい登山道を登り続けておよそ1時間、一行はようやく目的の場所に到着した。
案内標識の先にあったのは、木々が生い茂る山中に突然現れた不自然なコンクリート壁。一段高くなった最上段の側壁のような、高さ約3メートル、幅約10メートルのそれはまさしく“ラピュタの壁”と呼べる代物だった。山の中に似つかわしくないこの建造物に、2人は驚きの声を上げる。
古川アナは、これまでの経験から壁を見た瞬間に「戦争じゃない?」と推理。壁のところどころに見られる不自然な穴ボコが銃痕に見える、というのがその理由だった。さらに壁の上である最上段に上ってみると、そこにはある程度の大きさをもった広場なような空間が広がっていた。そしてここでも、2人は意外な光景を目にする。こちらもまた不自然な、コンクリートでできた四角い箱状のものが3つ並べられていた。箱の周囲は土で覆われており、さながら竪穴式住居のような形状。さらに同じ構造をしたものが3ヶ所あった。
この四角い箱状のスペースは人が横になって入れるほどの空間であり、古川アナは「戦時に防衛にあたった人々の拠点だったのでは?」と推測した。
ここで神戸の歴史に詳しい武庫川女子大学名誉教授の丸山健夫先生に方向性を確認すると、戦争に関係したものという方向性についてはバッチリ。しかし、人が宿泊するような施設ではなかった。この壁は“神戸の歴史の中で忘れてはならないものの一つ”だそうで、三宮の海岸通にある建物を見ると“バーン”と気づけるものがあるというヒントをもらった。
下山して三宮に到着した塚田&古川アナは、昔外国人が住んでいたという旧居留地で「日本銀行神戸支店」や「神戸市立博物館」、「商船三井ビルディング」、「神戸メリケンビル」など歴史ある建物に注目。塚田は市街地から摩耶山への距離を考えると「何かを隠すための施設だったのでは?」と予想した。
古川アナも周囲に博物館や日本銀行があることから、塚田の予想に乗っかるように「大空襲に備えて神戸に住む外国人が自分たちのお宝や財産を隠すための倉庫だったのでは?」と推測。珍しく意見が一致した。
知恵と体力を出し切って辿り着いた答えだったが、丸山先生は「ん〜、0て〜ん」と茶目っ気たっぷりに厳しい評価。丸山先生が見つけてほしかったヒントは神戸メリケンビルに向かう最中に通ったシップ神戸海岸ビルの外壁だった。2人は神戸メリケンビルに気を取られていて完全スルーしていたが、この建物の壁にはいくつもの丸いシミのような跡があり、これはアメリカ軍戦闘機が機関銃で攻撃した跡だったのだ。さらに神戸市立博物館にも弾痕が残っており、こちらも完全に見落としていた格好だった。
空からの攻撃といえば高射砲。これまで何度も「なんでやねん!?」で取り上げてきたが、戦時の神戸は日本有数の軍需工場があり、アメリカの一大爆撃ターゲットだった。空襲から神戸港や街を守るために摩耶山に高射砲が配置され、“ラピュタの壁”はその高射砲台だったのだ。四角い箱は弾を置くための弾薬庫だった。
「このコーナー何回高射砲やんの?」と思わず古川アナもツッコまずにはいられなかった情報番組『newsおかえり』の人気コーナー「古川×塚田のなんでやねん!?」3月12日放送回は、動画配信サービスTVerにて無料配信中だ。なお『news おかえり』は、毎週月曜~金曜午後3時40分よりABCテレビで放送中。