佐々木希「大人だって失敗はあるもんね」

それぞれにワケありな恋愛観や家族の問題を抱えているアラサーの男女7人が、触れ合い、愛し合おうとする群像ラブストーリードラマ「アイのない恋人たち」。

主人公の売れない脚本家・久米真和を演じるのは福士蒼汰。心から人を愛することからも、愛されることからも逃げている「愛のない」33歳だ。

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真和の初恋の相手でバツイチのアラサー・稲葉愛を演じる佐々木希が、母親として、そして1人の大人としての視点で、稲葉愛へのアイを語った。

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――出演発表時に「ナチュラルワインに対してもアイがあります」とコメントされていましたが、それはどういったアイですか?

もともとワインが好きですし、みんなでワイワイ食事をするのも好きなんです。楽しくなってくると、ついつい飲みすぎてしまうこともあるじゃないですか。そういうときに、ナチュラルワインは防腐剤が入っていないものもあって、頭が痛くならないところがすごく好きです。あと、ナチュラルワインを置いているお店は、ワインの知識なんてなくても楽しく飲めばOK! みたいな雰囲気なので、居心地がいいんです。ボトルのデザインやエチケット(ラベル)も可愛いので、空いたボトルを花瓶にするのも可愛くていいなと思います。

――お酒といえば、愛はイヤなことがあるとお酒に逃げがちです。佐々木さんはイヤなことがあったとき、どうやって発散しますか?

友人と一緒に食事をしながら話をしていると、イヤな感情はいつの間にかスーッとなくなっていくかな。外に出て誰かと話す。これは結構大事だなと思います。

――その“イヤなこと”を聞いてもらうのですか? それとも関係ない話をして気分転換をする?

基本的にはそこまでイヤなことがあんまりないんですよね(笑)。でも、本当にイヤなことがあったとしたら、「楽しい会なのにごめん。ちょっと聞いてくれる?」って聞いてもらいます。全部吐き出したら楽になりますし。私も誰かが悩んでいたら、「言って楽になるんだったら聞くよ」というような人でありたいなと思います。

――会見で、本郷奏多さんと前田公輝さんが、佐々木さんを「愛情深い人」と言っていましたね。

ねー! まさかの!(笑)

――「まさかの」(笑)。思い当たるところはないですか?

えー? なんでしょうねえ。多分7人の中で子供がいるのが私だけだから、そう見えるのかも? 実際、子供に対しては無償の愛がありますよ。成長が楽しいので、愛情をいっぱい与えています。

――愛情の与え方に「佐々木希の流儀」みたいなものはありますか?

「甘やかさずに教える」ことも愛なのかなと思います。叱ったり怒ったりするにはけっこうエネルギーを使うので、できればやりたくないけれど、厳しくすることもやっぱりあります。ちゃんと楽しむときは楽しむ、遊ぶときは遊ぶ、やることはやる。その辺のメリハリはしっかりつけたいなと思っています。

――「アイのない恋人たち」の「アイ」は、「愛」「自分(I)」「見る目(EYE)」を意味しています。親の立場だと「自分(I)」をしっかり持っていないと、子供に何を言っても説得力がなくなりそうですね。

そうそう! まさに! 全部真似しますからね、子供って。だからシンプルなことだけど、言葉遣いとか、ご飯を粗末にしないとか、自分もちゃんとするように気をつけています。

――お子さんを育てたことで見えてくる「自分」もありそうです。

私は、自分の母親からいろいろ学ぶことがありました。例えば、子供の頃の母親とのクッキングタイムをものすごく覚えているんですよね。クッキーやパンケーキを一緒に作ったり、お料理をちょっと手伝ったり。そういう体験がすごくいい思い出として残っているので、私も子供と一緒に楽しむ時間を大事にしています。

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――3話で明らかになりますが、バツイチの愛は、6歳になる息子の晴人を手放してしまったことを後悔していますね。

愛は一度失敗してしまったけれど、晴人を取り戻そうと頑張っています。同じ母親として、愛の気持ちを想像すると心が苦しくて、泣けてくるんです。晴人役の子を見るだけで、「うわー、愛ちゃん! つらいよね……」って。過去の若さゆえの失敗に向き合うのはつらいだろうなと思います。真和が晴人に言ってくれた、「大人になると辛くて、何もかもから逃げ出したくなることがあるんだ。でも、ママは今それをすごく後悔してる」というセリフも、個人的に刺さりました。「大人だって失敗はあるもんね」と心から思います。

――まだ最後まで台本が届いていないそうですが、愛には最終的にどうなってほしいですか?

どうにか息子が帰ってきてくれないかなと思います。あと、真和に「昔の輝きがない」と言われちゃったので、昔の輝きを取り戻せるようなきっかけがあればいいなと思います。見た目の美しさとかではなくて、心から輝けるもの……となると、やっぱり大好きだったピアノなのかな。

――もしも愛が佐々木さんにとって大切な存在、例えば親友だったら、どんな言葉をかけますか?

「諦めるな!」かな。過去にやってしまったことは変えられないから、そこをしっかりと受け入れて、息子を取り戻すために何をしたらいいのかをよく考えて、できることすべてを全力でやるしかないですよね。頑張ってほしい。あと、お酒に逃げない!「愛ちゃん! お酒に逃げちゃダメ! 現実に向き合って、諦めないで、全力で頑張って!」ですね。

――では最後に、このドラマのどんな部分が視聴者の方々に届いたらいいなと思いますか?

もがいたり葛藤したりというのは、多分誰しもが経験することだと思うんです。まさに今悩んでいる人にとっては、悩みながらもちょっとずつ前に進めるよという、希望が持てる作品かなと思います。これは恋愛がメインの要素として描かれているけれど、恋愛以外の部分でも人としての成長も描かれているので、その辺をぜひ見てほしいなと思います。

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取材・分/須永貴子

【第4話あらすじ】

郷雄馬​(前田公輝)と近藤奈美​(深川麻衣)が結婚の意思を固める。知り合って1カ月足らず、両家の許しもまだとあって、久米真和(福士蒼汰)と淵上多聞​(本郷奏多)は、「すぐ破局する」「反対される」と冷ややか。奈美から婚姻届の保証人を頼まれた今村絵里加(岡崎紗絵)と冨田栞​(成海璃子)も、もう少し時間をかけた方がいいとネガティブな反応をしてしまう。だが、愛の力を信じる雄馬は、真和たち外野の雑音を一蹴。いつまでも正式に付き合おうとしない、真和と多聞の優柔不断さを批判する。奈美もまた、絵里加と栞に「勢い」の大切さを熱弁。ためらってばかりの絵里加たちは、逆にハッパをかけられてしまう。

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真和の脚本は上々の評価を得る。しかし、急な修正を強いられることもあり、そんな時、真和は絵里加とのデートより仕事を優先。絵里加に、奈美のお説教を生かす機会はなかなかめぐってこない。一方、会社で栞に会った多聞は、なりゆきで何年も帰っていない実家の事情を打ち明ける展開になり…。
そんな中、いよいよ雄馬が奈美の両親に会う日がやってくる。

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アイのない恋人たち」(ABCテレビ・テレビ朝日系列で毎週日曜 夜10時から放送中)

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