兵庫・西宮に存在する「“逆”開かずの踏切」の秘密とは? “開かずの踏切”が“開きっぱなしの踏切”になったのには深いワケがあった
阪急西宮北口駅近くには開かずの踏切ならぬ“逆開かずの踏切”が存在するという。開きっぱなしの踏切なのか? 電車が通らない踏切なのか? タレントの河合郁人と、ABCテレビのアナウンサー・古川昌希がその理由を徹底調査!
【動画】「ちょっとまってよ!! もう1人でやる!?」河合郁人の名探偵ぶりに焦る古川アナ
“逆開かずの踏切”があると聞いて兵庫県西宮市、阪急 西宮北口駅にやってきた2人は、逆開かず=開きっぱなし、つまり「踏切の必要がないよね。電車通らないってことでしょ?」とその言葉から連想。さらにこれまでの経験から「過去使われていた踏切で、なぜそれがそこにあるかっていう捜査でしょ」とまで予想し、「調査は3割終わりましたね」と余裕の表情を見せた。
さっそく駅の南側にあるという問題の踏切を探し始めると、駅舎のすぐに脇に踏切を発見。見た目はキレイで古さを感じさせず、また線路も駅ホーム方向にも続いており、今でも電車が通っている雰囲気をしっかりと漂わせていた。しかし電車が通る気配はない。
念のためほかの踏切も調査するため、一行はショッピングモール「阪急西宮ガーデンズ」脇にある同じ線路上の踏切までやってきた。この線路には並行して走る高架があり、今津線の電車が踏切の頭上の高架ばかりを通過していて、ここも電車が通る気配はない。この踏切は“球場前”という名称で、西宮ガーデンズが誕生する前にあった阪急ブレーブス(現オリックス・バファローズ)の本拠地・阪急西宮スタジアムの名残で踏切には球場前踏切道という名が残されていた。
河合&古川アナは、この踏切がある線路を「高架化したことで役目を終え、使われなくなった線路」だと予想。ここで鉄道ライター伊原薫さんに方向性を確認したところ、高架の関係はあるものの今も現役で使われている踏切だということがわかった。取り壊されるのを待っている踏切だと言い放った2人に、伊原さんから「寝言は寝てから言うてください」と厳しいツッコミが入る。
井原さんによると、西宮北口の駅北側には阪急電車の車庫があり、1日2回だけ今津線の列車が出入りするのだという。さらに、今は早朝と夜しか使われない“逆”開かずの踏切だが、昔は本当に「開かずの踏切」だったそう。今回はその理由まで調査できれば100点ということになった。伊原さんの話の途中で河合はすでにピンときたらしく、「俺もうわかったわ」といつも以上に自信に満ちた表情を見せる。これに古川アナは「ちょっと置いていかんといて〜」「ちょっとまってよ!! もう1人でやる!?」とテンパっていた。
伊原さんからヒントとして「ダイヤモンドクロス」という謎のキーワードを得た2人は、西宮北口駅の隣駅である阪神国道駅周辺をチェック。ここは阪神バスが走る国道と今津線が交差しており、クロスと言っても差し支えなさそうだ。さらにその先の今津駅をチェックすると、ここでは阪神本線ともクロスしていることがわかった。これには古川アナも「完全にダイヤモンドクロスです」と興奮気味に確信。「今津線上には阪神国道駅、今津駅と2か所で阪神線と交わっており、ダイヤモンドクロスが起きていた。そんな中、かつてあった球場に行く乗客を多く運ぶために電車の本数を増やした結果、開かずの踏切になった」のだと予想した。
ここで井原さんと答え合わせをしたところ、結果は、「いい加減にしてください。0点です」という散々なものに。井原さんに連れられて向かったのは、“逆開かずの踏切”の目と鼻の先にある広場だった。その広場には説明看板とともに“ダイヤモンドクロス”の一部が保存されていた。
“ダイヤモンドクロス”の正体は、神戸線と今津線の平面交差のことだった。かつて西宮北口は、大阪と神戸を結ぶ大動脈である神戸本線と、沿線にさまざまな施設がある今津線が、高架などの立体ではなく地上で交差する珍しい場所だったのだ。高度経済成長期には神戸本線も今津線も本数が増加し、今津線の電車が神戸線の電車の通過を待つという状態がたびたび続いたことで開かずの踏切となっていたのだそう。その後、今津線を分断し、高架化したことで、“開かずの踏切”転じて“逆開かずの踏切”になったのだという。
「あのときは本当にイケると思った」「名推理だと思った」と振り返った河合に「あの瞬間は金田一少年みたいだった」とスタジオメンバーもうなずいていた情報番組『news おかえり』の人気コーナー「古川×河合のなんでやねん!?」1月23日放送回は、動画配信サービスTVerにて無料配信中だ。なお『news おかえり』は、毎週月曜~金曜午後3時40分よりABCテレビで放送中。