「M-1ラジオ」 賞レースを支える“ロングセラースナック菓子”と、決勝最下位の心境

ABCラジオにて放送中の「M-1ラジオ~〇〇のチカラ~」。歴代M-1チャンピオンがパーソナリティを務め、M-1現役出場者、M-1卒業芸人、M-1裏方スタッフたちと様々な目線で「M-1グランプリ」について熱く語る。

12月17日放送の#6は、#5に引き続きマヂカルラブリーの野田クリスタルさんがパーソナリティを務める。収録に立ち会った構成作家の瓶底めがねが、収録・放送までの話や収録現場の様子を綴る。

©️ABCラジオ

収録日は、12月2日の夜。放送日としてはM-1の決勝1週間前だが、収録の時点では準決勝が行われる前なので、決勝進出者をわかっていない。

そういう訳もあって、別の角度から話してもらいたいと考え、M-1では華々しい結果は残していないものの、営業や賞レースの前説で大活躍しているジョイマンのお二人をゲストに迎えることになった。

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収録当日、徳島での営業帰りでABCラジオの東京支社にやってきたジョイマンの高木晋哉さんと池谷和志さん。その直後に野田さんも到着し、すぐに収録がスタートした。

今回のテーマは「前説のチカラ」「リズムネタのチカラ」「会場のチカラ」。前説をやる上での心構えやリズムネタに関する話など、ジョイマンのお二人だからこそ聞ける話をしていただいた。

野田さんが敬意やイジりを込めて「前説がお笑いのハードルを下げている」とおっしゃったが、それに対して高木さんは自分たちのことを「スナック菓子」と表現した。

その言葉をそのまま受け取るならば、15年も活躍を続け、お笑いファンだけでなく万人に愛されているジョイマンは誰もが食べたことのあるロングセラーのスナック菓子だろう。

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ここからは、時間の都合でカットしている箇所も含めたM-1決勝に関するお三方のやり取り。

池谷:(決勝のせり上がりで)上がってくるじゃん?出てくるときって、どんな気持ちなの?

野田:あのときは、もうゾーン入っていますよ。あそこまで行ったら、(怖いとか)そんなこと考えてない。

池谷:何ですか?漫才のゾーンって。

野田:もう笑わすしか考えてない!マジで。1秒1秒。

高木:(せり上がりでの)土下座とかも一瞬で決めたって?

野田:それもゾーン入ってるから、なんであんなことしたのか分かってない。

高木:勝手に体が動いているんだ。

野田:ウケたくて仕方がない!ウケないと死ぬって思っているから!死なないために何やったらいいんだしか考えてない。

池谷:これだよ、優勝する人は。

野田:ウケるために1個も逃したくないっていう感じがずっと出てる。

池谷:緊張感はないんだ?ゾーンに入っているから。

野田:全集中している感じ。余裕はない。あの瞬間、背中を切られてもわかんないと思う。

高木:アドレナリンで!

野田:でも、それは最下位取ってからの2020年だったから。最下位取ったときは、ボケが1個過ぎるたびに吐き気してた。ヤバい、ヤバい…って。

池谷:ゾーン入ってなかったんだ。ゾーン解かれた?

野田:ずっとぼんやりしている感じ。

池谷:あのときは終わったって思うの?上沼(恵美子)さんにバーッて言われたりとかして。見ている側は、おいしいのかなって思っていたけど。

高木:ゾクゾクしたよね~。脱いでいるときとかね。

野田:俺は、もう漫才やれないなって思った。もう漫才終わったな、これから決勝に行くことはないだろうなって。これだけ準決勝でくすぶって、決勝に行ったらどうなるんだっていう話題を持って、決勝に行ってみたら最下位だったから。

最下位取ったとき、映像的には面白いかもしれないけど、裏はすごいんですよ。全員が話しかけない。楽屋まで。なんて声かけたらいいのか分かんないじゃん。

高木:俺らのサイン会0人のときと一緒だ。

池谷:全然違うよ!

野田:ほぼそれです!ジョイマンのサイン会みたいだって言ったもん。

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その後、マヂカルラブリーが優勝することができたからこそ、笑いも交えて話せるような裏話だと思う。後半のやり取りはディレクターら制作陣も気に入っていたが、渋々削ることになった箇所なので、後記に書くことにした。

次回は、ついにM-1グランプリの決勝当日!もともとは事前収録の予定だったが、これを書いている数日前に生放送でお送りすることが決まった。いつもはYouTubeで聴いている人も、生放送なのでぜひリアルタイムで聴いてほしい。

「M-1ラジオ~〇のチカラ~」は、YouTube「M-1グランプリ」公式チャンネルで配信中

(瓶底めがね)

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