新型コロナに負けない、障害のある人たちと職員の奮闘…福祉の未来について考えたくなる「ほくぶ障害者作業所」の特集
ダウン症の弟がいる作家・岸田奈美さんが大阪府堺市の「ほくぶ障害者作業所」へ。コロナ禍の作業所の奮闘が胸に刺さり、福祉が充実した未来を願わずにいられない!
ニュース情報番組『news おかえり』で、障害のある人たちが働く大阪の作業所が紹介された。コロナ禍で売り上げが激減し、集団感染が発生しても支え合って懸命に生きる、障害のある人たちと職員らの姿が印象的だ。
ABCテレビでは、4月24日~5月5日までSDGs関連を紹介する企画「アスミライweek」が行われる。『news おかえり』4月27日放送回では、同企画の一環として大阪の堺市にある「ほくぶ障害者作業所」が紹介された。取材をしたのは、ダウン症の弟がいる作家・岸田奈美さんだ。
「ほくぶ障害者作業所」では、107人の利用者を64人の職員が支えている。利用者の中には知的障害があるだけでなく、身体障害や聴覚障害など複数の障害を抱えている人もいる。みんな、明るくて元気いっぱいだ。
ここで利用者たちは、パンや焼き菓子の製造、ボタンやネジの袋詰め、空き缶のリサイクルといった仕事に励んでいる。障害のある人たちが活き活きと作業に取り組む姿、そして、初対面の岸田さんともフレンドリーに接する姿にほっこりさせられる。
コロナ禍にほくぶ障害者作業所では辛い出来事がいくつもあった。商品の販売先が減って売り上げが右肩下がりになり、なんと利用者の1カ月の工賃が17%も減ってしまった。
さらに、手話だけでなく口の形で言葉を読み取る聴覚障害者はマスクで会話に困り、重度の知的障害者はマスクをつけられないなど、作業所内で、次から次へと悩みが出てきた。
2022年春には集団感染が発生し、感染した人たちの療養先が見つからないため、職員たちが感染者を看病したのだそう。想像を絶する辛い状況に置かれた職員たちに胸が苦しくなる。
人員がギリギリの体制の中でも、ほくぶ障害者作業所の職員たちはやりがいをもって働いており、コロナ禍ではひとりも退職していないという。そんな作業所の仲間たちに岸田さんは心を打たれた様子。「障害のある方がすごく感情表現が豊かで、スタッフさんもその感情を読み取ろうって、みんなで力を合わせて、利用者の味方になって頑張っていて……。こんな明るくて楽しそうな職場、見たことがないです」「この素晴らしい職場をみんなで守りたい」と明かした。