シン・漫才なのか論争と、優勝ネタの誕生秘話
ABCラジオにて放送中の「M-1ラジオ~〇〇のチカラ~」。歴代M-1チャンピオンがパーソナリティを務め、M-1現役出場者、M-1卒業芸人、M-1裏方スタッフたちと様々な目線で「M-1グランプリ」について熱く語る。
12月10日放送の#5は、マヂカルラブリーの野田クリスタルさんがパーソナリティを務める。収録に立ち会った構成作家の瓶底めがねが、収録・放送までの話や収録現場の様子を綴る。
収録日は番組側の都合もあって、11月19日と少し早めの日程。ABCラジオのスタジオではなく、都内某所にある貸しスタジオでの収録となった。
先に到着したのは、ゲストであるランジャタイの国崎和也さん。いつもの衣装に着替えていただくことになり、そこでハプニングが。お笑いファンの方はご存じかと思うが、訳あって国崎は現在、カツラをかぶっている。前日にカツラを使用したが雑に保管してしまっていたため、あまりにもボサボサ。寝癖のまま、仕事場にやってきた人にしか見えない。
ご本人とマネージャーさんの判断で、収録中はカツラをかぶらないことになった。収録中、ブースの中に入っているので、この記事やSNS用の写真撮影を担当することもある。カツラをかぶってテレビに出ている人のかぶっていない姿を撮影することに、若干の申し訳なさを感じてしまう。
野田さんも到着し、ブースへ。野田さんは「俺たち普段、漫画の話しかしないからな~」と言いつつ、収録がスタート。今回のテーマは「衣装のチカラ」「型破りのチカラ」だが、かなり踏み込んだ話をしてもらったと思う。そこから派生し、審査員論まで。
中でも興味深かったのは、野田さんが語る新たな「漫才なのか論争」だった。マヂカルラブリーの優勝時に勃発した「漫才なのか論争」だが、それが次なる域まで到達しているようだ。
VTuberと人間の漫才、VTuber同士の漫才、ロボットと人間の漫才、これは漫才なのか。人間同士に限るべきなのか。野田さん曰く、そろそろ決めないといけない時期に来ているという。
ここからは、お二人のネタ作りに関するやり取り。
野田:ネタは、どう作っているの?
国崎:ネタは…よくわかんないです。どうやって作っているんだろうみたいな。
野田:そうだよな。「どうやって作っているの?」って言われましても。
国崎:急にできたりもしますし。考えようと思ったら、何も浮かばなかったりもね。
野田:作り方なんてあったら量産しとるわ、って話で。
国崎:決勝でやった電車のネタは電車に乗っている最中に思いついたり、とかですか?
野田:漫画の「バキ」で三戦(さんちん)という立ち方があって、あれで立っていれば電車の中でも揺れないっていうのに影響を受けて。
国崎:愚地独歩!
野田:(電車の中で)しばらく三戦で立っていたことあったのよ。どうやっても揺れるのよ。三戦、ウソじゃねぇーかよって!ようやく気づいて、そこからネタ作ったのはあるね。
国崎:「バキ」入りなんですね!
野田:「バキ」の三戦から入ってる、あれ!
収録前に野田さんがおっしゃっていた通り、漫画の話に着地しつつも、「つり革」ネタの誕生秘話という貴重なお話を聞くことができた。
次回は、M-1グランプリの決勝一週間前だが、いったいどんなゲストが…。
「M-1ラジオ~〇〇のチカラ~」は、YouTube「M-1グランプリ」公式チャンネルで配信中
(瓶底めがね)