「意外と爽快なエロで気持ちいいんですよ!」 互いに嘘がない、なにも隠す必要のない関係が理想 岸明日香インタビュー(つづき)

累計発行部数150万部を突破した人気コミックス『こういうのがいい』が、ABCテレビで実写ドラマ化。「したい時に、したい事を、したい人とする」という、新しい男女のトモダチ像“フリフレ(フリーダムフレンド)”を描いた、ゆるくて気楽でエッチな日常系ドラマです。


在宅ワーカーのエンジニア・村田元気を演じる西山潤。村田と出会い、束縛のない自由な“フリフレ”となる、性に奔放な江口友香を女優の田中美麗が演じています。

バリキャリな村田の上司・今下伊好を演じる岸明日香へのインタビュー後編です。仕事のできる村田を評価しつつ、異性としても意識している今下部長をどのように演じたのか。また本作のキーワードである“フリフレ”や恋愛観について、ありのままに話していただきました。

©️ABCテレビ

ーー(恋愛は慎重すぎて相手が)シビレを切らすぐらい?

例えば、「この人、いいな」と思っても、 そこから関係を先に進める前に「この人、本当はこうなんじゃないか」「好きと言ってくれてるけど、みんなに言ってるんじゃないか」と勘ぐったり、裏の裏の裏の裏ぐらいまで読まないと気がすまないんです。誠実で好意を持ってくれている人でも、良くないところを先に探しちゃう。

ーーそれは傷つきたくないからですか?

そうですね。後から知って、傷つくくらいなら先に知っておきたいからだと思います。だから先に、かなり深いところまで踏み込んでしまうのかな。

これまでのインタビュー「恋愛は『もういい加減にしろ』といわれるぐらいめちゃくちゃ慎重派」記事はこちら

ーー想像して、気になることがあればストレートに聞くタイプですか? 

好きになって気になることがあれば、しっかりと本人から聞きます。もちろん、相手は自分を良く見せようと本当のこと言わないこともあると思うんですけど、人間観察が好きだし、そういうところも含めて自分で判断したいなって。気になったら「え?今のは嘘やんな?」みたいに普通に問いただしちゃうので、そういうところが怖いと言われたこともありますね(笑)。

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ーー取り調べぐらいの勢いですか?(笑)。

あはは。でも、そういうところも含めて私なんです。逆に、私も後からがっかりされたくないので、お付き合いする前には自分のよくないと思っているところをなるべく先に伝えるようにしています。後から「そんなにずぼらなん知らんかった」とか言われたら嫌じゃないですか?(笑)。意外と気が強かったりしてびっくりされることもあるので、ちょっとずつ情報を入れてるかもしれないです(笑)。

ーーそういう意味では、村田と友香のように、先にお互いのことを包み隠さずさらけ出してから関係を深めていくところも共感できるかもしれませんね。

そうかも。お互いに嘘がないし、別になにも隠す必要のない関係が理想だから。だけど、恋愛観となると私は割とはっきりさせたい派なので、周りに説明のつかない“フリフレ”は望まないかなぁ。はっきりさせたい気持ちが強い方だから、逆に相手からも縛られがちで……と言いながら、私はむしろ縛られたい派なんですけど。

ーー縛られたくて、縛られている派でしたか!

昔はデートも10日に1回ぐらいでよかったのに、年々寂しがり屋になってるのかも(笑)。

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ーーそこは 村田や友香が求める関係とは真逆ですね。

そうですよね。だからこそ衝撃的で、自分も取り入れたいと思えた部分もあるというか……。「もしかすると、視野が狭くなってたかも」「もっと広い目で見られたら、気楽に恋愛できるのでは?」と考えさせられました。

ーー 先ほど岸さんが仰っていたように、“フリフレ”は“恋人”のように周りにはっきりと説明がつく関係ではないことが、原作でも徐々にモヤっとポイントになってきますよね。恋人ではないけれど、友達にしてはみんなが想像するよりも深い関係だし…返答に困って濁すようなシーンも。

毎日一緒にいるような関係だと、周りは「恋人かな?」「どういう関係だろ?」と聞きたくなりますよね。私は、ゼロか100のどちらかはっきりさせたい派だから「恋人です」と言えない関係なら「さよなら!」ときっぱりお別れです(笑)。そこははっきりと言葉にしてほしいし、できる人を好きになりますね。もちろん、村田と友香みたいに人間的にすごく相性がよくて分かり合えている、2人とも居心地がいい関係ならいいと思います。どんな関係でも安心感を得られるかどうかが大事だと思いますね。

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ーーたしかにどんな関係でも、根っこでは安心感が居心地のよさに繋がっているかもしれないですね。ちなみに私事ですけど、めちゃくちゃ村田状態だったことがあります……。

え! どういう意味でムラタング!?

ーー恋人はしばらく必要ないかなという、恋愛観です…! 

このまま聞いていいのか、すごく気になるんですけど。いまこの部屋にいるスタッフも女子もざわついています(笑)。

ーーまさに原作のような絶妙な空気(笑)。それでもたまにはデートしたりご飯くらいは行きたいじゃないですか。“フリフレ”という新しい言葉のおかげで、関係が肯定されて、収まりがよくなるカップルもたくさんいるんじゃないかなと思いました。

新しい友達のカタチとして、お互いの仕事や働き方を理解しあって、私生活をさらけ出してプライベートも一緒に楽しむ関係はすごい素敵やと思います。恋愛に発展するとしても、そういうところがありきかなと。いろいろな人とお話ししてみて、“フリフレ”は女性が決定権を持っていることが大事なんじゃないかなと思いました。

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ーーたしかに、『こういうのがいい』も村田より友香の方が、どちらかといえば前のめりに関係を進展させていますね。

(男女で区別するのは難しいけど)男性側がコントロールしている関係だったら、もっと複雑になってるかもしれないですよね。

ーーたしかに、村田と友香はかなり良いバランスですよね… そこに今下部長はどう切り込んでいくのか……今からとても楽しみです! 原作とはまた違った、ドラマならではの面白さをどういったところに感じましたか?

ファンの皆さんもたくさんコメントされていましたが…… 原作をどうやって映像化するんだろうって気になると思うんです。私も興味津々だったんですけど、意外と爽快なエロで気持ちがいいんですよ!

ーー爽やかな感じですか。

そう! 想像以上に潔良くて、私も完成した映像を見ていて、より共感できる部分があったので、原作ファンの方にもドラマで知った方にも、 いろいろな方に見ていただける作品になっていると思います!

ーー 原作はかなりドキドキするような赤裸々なエロが魅力ですが……ドラマはポップに展開するのですね?

めちゃくちゃポップなエロです! 笑える要素もたくさんあって、ラブコメのように見て楽しんでいただけると思います!

ーー原作のまったりした会話やダラダラしている空気感とかも、ドラマだとよりリアルに感じられますね。

そうですね。深夜に家でまったり観るには最高のドラマやと思います。私もリアタイで観るので、SNSで感想をコメントしたりして、ぜひ皆さんと一緒に楽しみたいと思います!

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取材・文/大西健斗

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