“甲子園まであと1球”で起きた悲劇…大黒柱欠く三重ナインが仲間の思いを背負い初戦へ

「夏の甲子園」こと第108回全国高等学校野球選手権大会7日目となる8月11日、2回戦第4試合で三重(三重)と松商学園(長野)が対戦した。三重は、地方大会決勝で甲子園出場まであと1球というところで大黒柱を襲ったアクシデントを乗り越え、仲間の思いとともに初戦へ臨んだ。

【TVer】社(兵庫)・岩井秀耶投手、最後まで強気を貫いた憧れの甲子園で涙…帽子の裏に書かれた文字とは

三重は地方大会決勝でアクシデントに見舞われていた。9回2死、甲子園まであと1球というところで、大黒柱の1人である最速149キロ右腕・古川稟久投手が右肘の不調を訴え、緊急降板したのだ。

診断は、右肘の肉離れ。チームは甲子園への切符をつかんだが、古川投手は喜びだけでは終われなかった。「甲子園で投げれないなんて、ちょっと考えられなくて……」。出場が決まった直後、人目をはばからず涙を流した。

それから2週間。甲子園初戦の前日になってようやくボールを握ったものの、試合にはまだ間に合わない。「悔しさを自分の代わりに、この初戦で晴らしてほしい」。マウンドを仲間に託し、自身はサポートに徹することに。

そんな古川投手の思いを受け、三重は初回から攻めた。1死一、二塁で4番・福田篤史選手がセンターへ先制タイムリー。さらに内野ゴロの間にも1点を加え、2点を先行した。

マウンドでは先発の上田晴優投手が2回、2死満塁のピンチを背負う。ベンチの古川投手は声を張ってチームを鼓舞。上田投手は空振り三振でこのピンチを切り抜けた。

投げられなくても、できることを……。古川投手は4回からマウンドへ向かう後輩・船橋昊投手にアドバイスを送るなど、投手陣を支え続けた。打線も3回に1点、5回には2点を加え、リードを5点に広げた。

しかし、松商学園も8回に4番・清水陽真選手のタイムリースリーベースで1点を返すと、9回には2死二、三塁から1番・山口史晃選手に2点タイムリースリーベースが飛び出し2点差に。

2死一、三塁と、長打が出れば同点という場面だったが、吉井海翔投手が最後の打者をセカンドライナーに打ち取り、三重が5-3で逃げ切った。

甲子園まであと1球というところで故障でマウンドを離れ、初戦では登板できなかった古川投手。それでもベンチから声を送り、投手陣をもり立てるなど、自分にできる形で仲間を支えた。大黒柱の思いも胸に戦った三重は、仲間全員で初戦の勝利をつかんだ。

なお、三重と松商学園の試合ハイライトは、8月11日に放送された『熱闘甲子園』(ABCテレビ・テレビ朝日系列)で紹介された。

【TVer】57年ぶりの甲子園に“57年前の球児”も駆けつけた 横手(秋田)を後押しした世代を超える大声援

番組情報

熱闘甲子園
8月5日(水)の開幕〜決勝戦まで連日夜放送 ※休養日除く(予定)※変更の場合あり

関連記事

おすすめ記事 おすすめ記事