店主の急逝と廃業の危機も乗り越えて…超肉厚とんぺい焼きと常時20種類以上の小鉢が人気! 家族4代がつなぐ下町の大衆食堂に密着!!
街のおいしい店に潜入し、店主の人柄からにじみ出る人気の秘密を発見するシリーズ「実録!人情食堂」。今回は、家族4代に受け継がれてきた大阪・豊中市の大衆食堂を取材しました。
阪急・庄内駅から徒歩5分。下町の風情が残る商店街を抜け、その先の路地にある大衆食堂「ここや」は1969年創業。目の前の鉄板で焼き上げる、アツアツの鉄板焼きが名物のお店です。
店内をのぞいてみると、昼間からお酒を飲みながら鉄板料理を楽しむお客さんたちで大にぎわい。長年通う常連さんも多いこちらを現在守っているのは、4代目店主の兼田利信さん。先代店主のご両親や息子さんも店を手伝い、家族総出で店を切り盛りしています。
一番人気は「とんぺい焼き」。超肉厚の豚ロースをふわとろの卵で包み、創業時から受け継がれてきた甘辛い特製ソースをかけて仕上げます。「肉々しくておいしい」とお客さんも絶賛のとんぺい焼きが主役の「ここや定食」は、ご飯に味噌汁、さらに20種類以上から選べる日替わりの小鉢もついてなんと900円!抜群のコスパも人気の秘密です。
【動画】“小鉢”といっても、魚の煮付けや天ぷら、珍しいクジラのコロ(皮)など内容は豪華。定食を注文しない人も1品300円で食べられます。
そんな「ここや」の裏側に密着してみました。開店は11時ですが、準備は朝6時半からスタート。時間が十分あるようにも思えますが、仕込みの作業は膨大。店主の利信さんと家族、従業員が力を合わせ、開店時間になんとか間に合わせているといいます。
父・信明さんも店を手伝っていましたが、現在は体調を崩して入院中だそう。そもそも「ここや」は、初代店主だった利信さんの祖父と、2代目の信明さんが一緒に開業したお店。3代目を利信さんの弟・貴史さんが継ぎましたが、昨夏、不慮の事故で急逝。信明さんがすでに高齢だったこともあり、店を畳む話も出ました。
しかし、従業員や多くのお客さんたちの「お店を続けてほしい」という声に背中を押され、利信さんが4代目として店を継ぐことに。“やってくれてよかった”と喜んでくれるお客さんの言葉に「元気をもらえるし、がんばろうという気になる」と利信さんは話します。
そんな利信さんを支えるのが、24歳の息子・拓海さん。毎朝の食材の買い出しは彼の担当です。店の仕事は「最初はしんどかったけど、慣れてきたらどんどん楽しくなった」と拓海さん。やさしいお客さんたちにも助けられているといい、30歳以上も年上の常連客と一緒に食事に行くほど仲がいいそうです。
拓海さんが買い出しを終え、店に戻ると朝8時。従業員も続々と出勤し、朝の仕込みも一気にペースアップ! 小鉢の準備が着々と進みます。朝の仕込みで一番大変なのがこの小鉢で、なんと毎朝100個以上も作るのだそう。
8時半、創業時から店に立ち続ける78歳の母・双美さんも出勤。店を始めてからの57年は「苦労だらけ」と言いながらも、「お店に出てきたらお客さんに“元気やった?”と言われるのがうれしい」と表情は満面の笑顔です。
そしていよいよ開店時間。ひっきりなしにやってくるお客さんは子どもからお年寄りまで幅広く、お客さん同士がすぐに仲よくなってしまうのもこのお店の特徴。「ここがないと具合が悪い」「もう家族と一緒」と通う常連さんたちにとって、「ここや」はもう生活の一部になっているようです。
「いいお客さんが多いのがうちの自慢。祖父からずっとやってきたものを守りつつ、これからもがんばっていきます」と利信さん。苦しいときも楽しいときも、お店と客が家族のように支え合う「ここや」は、笑顔あふれる人情食堂でした。
「実録!人情食堂」は、3月9日(月)放送の『newsおかえり』(ABCテレビ 毎週月曜〜金曜午後3:40〜)で紹介しました。



















