堤幸彦監督が手掛ける『DARK13 踊るゾンビ学校』 現世の生々しい生きざまを描く「カタチを変えた裁判ドラマ」とは!?

THE JET BOY BANGERZ(TJBB)のメンバー10人が“人間を裁くゾンビ”を演じるドラマ『DARK13 踊るゾンビ学校』で演出を手掛ける堤幸彦監督インタビュー前編。『DARK13 踊るゾンビ学校』は、単純なホラー作品ではない!?“カタチを変えた裁判ドラマ”として描くものとは…

©️ABCテレビ

――ゾンビが人を裁くという奇想天外なストーリーもさることながら、ワンシチュエーションでの密室劇としての面白さもある作品です。

2人の人間が密室でいがみ合った挙句に絶望的な展開を見せていくというストーリーは、かつてよくあったものですが、昔からそうしたシチュエーションが好きで得意な分野でもあるんです。今作では通常のドラマのように何日かにわたって撮影をするのではなく、1日で1話を同じセットで撮っていて、しかも劇中の時間軸に沿って冒頭部分から撮影しました。その手法が功を奏したと感じていて、対立がヒートアップしていくさまを描けたと思っています。撮影したのは暑い盛りの時期でしたので、みなさん大変な思いをしたと思いますが。

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――ドラマを見ていると随所に演出の“遊び”も効いていて、観ていて楽しいです。

ガチャガチャとしたスクラッチ感のようなイメージは最初から決めていました。ただ、このテイストでもうずっとやっているので染み付いちゃっているんです。まあオールドロックンローラーみたいなもんです(笑)。今の若い方々が観て“刺激的”と感じるのか、“もうじいさん狙いすぎ!”と感じるのか、そのザワザワした感じも含めてね、確信犯としてこれまでと変わらずやっているっていうのはあります。

まあ、素直に喜んで観てくださる方々もいる中で、過去作品との共通点のようなものを見出してくださる方もいて。手掛けてきた作品数が多いというのもありますが、そんな楽しみ方をしてくれるのは本当にありがたいですね。

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――『DARK13 踊るゾンビ学校』の発想の原点は堤監督が二十歳の頃だったそうですが?

そうです。専門学生の頃に福永武彦が書いた『冥府』という小説を元にして生意気にも卒業制作で脚本としてしたためたものが元になっています。当時から今に至るまで“人間は死んでも裁かれる”ということがあると感じていまして、まあ人間というのは、それぐらい罪深い存在である、と。逆にいえば、私自身も裁かれるくらい迫力のある人生を生きたいと思っていますしね。

今作では、単純なホラー作品、あるいはファンタジーとしての死後の世界を作るつもりはまったくなくて、“カタチを変えた裁判ドラマ”として現世の生々しい生きざまを描くドラマにしたいと思っていたんです。ですから、一見にぎやかでデタラメなルックの1話完結ドラマですが、その実、なかなか恐ろしい話をやっているなと思います。

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――50年の時を経て堤監督の思いが結実した集大成的なドラマでもある、と?

集大成と言えば、そうかもしれないですね。70歳になりましたが、世の中の若者を取り巻くカルチャーに対して刺激を与えられるか問うということでもあります。ただ今でも余力で作品を作っているなんてことはまったくなくて。当初、ドラマ企画のお話をLDH JAPAN代表・HIROさんとしたときには “ゾンビで裁判劇”と見栄を張ったはいいものの暗中模索で“はて? どうなることやら”とドキドキワクワクしながらでしたが、意外と完成度の高い作品ができたと思っていますし、スペシャルドラマに発展できるかもしれないとも思っています。なんといってもゾンビとロックンロールの需要はこれからも延々と続いていくものですから(笑)。

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――ということは、堤監督の『SPEC』のようなスピンオフの展望なども?

作りたいですねぇ。『DARK13 踊るゾンビ学校』は、僕の好きな世界観でもありますしね。続けられるのであれば、いくらでも展開できますよ(ニヤリ)。

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――ところで堤監督はABCテレビとは初タッグですが、在版(大阪の)テレビ局でのドラマ撮影の印象はいかがでしたか?

なんといっても『M-1グランプリ』を手掛けているわけですから(笑)、笑いに対しての懐がものすごく深いですね。私なんかは、名古屋出身ですから、東京にも大阪にもコンプレックスがあるわけですが、特に大阪には笑いをはじめ独自のカルチャーがしっかりとあって、名古屋出身の身としてはなかなか交わることのない世界なんです。例えばイギリスに『モンティパイソン』があるように、大阪にもそうした気風を強く感じますね。今作では脚本の打ち合わせやキャスティングの時点から、そうした懐の深い気風に触れることができたことは面白かったですね。

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(後編へ続く)

『DARK13 踊るゾンビ学校』 は、ABCテレビ(関西) 毎週日曜深夜0時10分、テレビ朝日(関東)  毎週土曜深夜2時30分放送中。ABCテレビでの放送終了後、TVer、ABEMAで見逃し配信中。

スタイリスト/関恵美子

取材・文/ニノマエヒビキ

番組情報

DARK13 踊るゾンビ学校
(関西) 1月11日(日)深夜0時10分/(関東)1月10日(土)深夜2時30分~

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