震災で途切れた「継ぎ足し」のダシ…神戸・新開地で創業95年!“白みそだれ”が人気のおでん店3代目女将が、4代目の息子に想いをつなぐ
街のおいしい店に潜入し、店主の人柄からにじみ出る人気の秘密を発見するシリーズ「実録!人情食堂」。今回は、“白みそだれ”のおでんが人気の老舗を取材しました。
神戸・兵庫区の新開地駅から歩いてすぐ、赤いテントが目印の「高田屋京店」は創業95年。店を切り盛りするのは3代目で女将の籠谷祐子さん(64)。13年前からは、祐子さんの息子で4代目の鈴木拓矢さん(33)が社長を務めています。
メニューに載っているおでんは全部で21種類。大根などの定番をはじめ、ロールキャベツや、まぐろをねぎで挟んだ“ねぎま”、この時期は冬限定の牡蠣も人気だそう。
そんな「高田屋京店」のおでんの最大の特徴は、クリーミーでほんのり甘い特製の“白みそだれ”。「ほかの(店)とはちゃう」とお客さんを惹きつける唯一無二の味わいの秘密を探るべく、カメラがお店に1日密着しました。
朝7時15分、開店4時間前から拓矢さんが準備を始めます。おでんのダシは「ずっと継ぎ足し」で受け継がれているそうですが、それが「一旦途切れて」しまったのは31年前。1995年1月17日に発生した阪神・淡路大震災の影響で、創業から継ぎ足してきたおでんダシを破棄せざるを得なかったのです。
当時の店主は2代目の鈴木一男さん。店の宝ともいえる大切なダシとあり、相当なショックを受けていたといいます。しかし、そこからまた歴史を刻み、毎日継ぎ足されてきた自慢のダシは、かつおベースのシンプルな味つけ。ここにじっくり煮込んだ具材の味がしみ出し、ますますおいしくなるのです。
次に拓矢さんがとりかかるのは“白みそだれ”作り。かつおからとった白だしに白みそを入れ、片栗粉でとろみをつければ完成です。
【動画】白みそだれをかけるのは、大根、豆腐、牛すじ、糸こんにゃくの4つ。ほかの具材にも「かけて」とリクエストする白みそファンも少なくないそう。
そして午前11時、いよいよ開店。お昼限定のおでん定食は、おでん4品とご飯、味噌汁がついて750円という驚きのお値段。おでんとビールが五臓六腑にしみわたる!? 「おでんやったらここ」と容器持参で買いにくるご近所の常連さんもいます。
お昼のお客さんが落ち着いてきた午後3時過ぎ、女将の祐子さんが出勤。夜の営業に向け、具材をどんどん追加しますが、これが「ガサーッとなくなっちゃう」と祐子さん。その言葉通り、夜7時を過ぎるとお店はもう満席。おでんも次々に売れていきます。
ところで、祐子さんはなぜこのお店を継いだのでしょう? 最初は継ぐつもりはなく、先代の父・一男さん、母・寛子さんの「ピンチヒッターのつもり」でお店に立ったそうですが、常連さんたちからの「辞めんとって!」「潰さんとって!」「継いで」という声を聞き、「これは根性を入れて続けなアカン」と覚悟を決めたといいます。
そして、当時、調理師専門学校に通っていた拓矢さんの意志も確かめ、卒業後に4代目を継いでもらうまでの「つなぐ人」のつもりで3代目に。そんな祐子さんの想いも継いで13年。拓矢さんは立派な4代目としてがんばっています。
午後9時30分、閉店。1日の営業を終えた祐子さんと拓矢さんに、今後の目標を聞いてみました。「どの世代にも愛していただけるような、もっと幅広く深いお店に」と祐子さん。拓也さんは「おじいちゃん、おばあちゃんが死ぬまで現役だったので、僕もそれを目指して生涯現役で」と力強く語ってくれました。
「実録!人情食堂」は、1月19日(月)放送の『newsおかえり』(ABCテレビ 毎週月曜〜金曜午後3:40〜)で紹介しました。 『newsおかえり』YouTubeチャンネルで配信中

















