「ポツンと一軒家」お見合いを断られた男の逆転人生。小遣いで買った2頭の牛からスタートし、受精卵移植技術に取り組み、総工費1億円のプロジェクトを担うまでに!
衛星写真でみつけた謎の一軒家の実態を徹底調査する番組「ポツンと一軒家」(ABCテレビ)。1月18日(日)の放送回では、茨城県のポツンと一軒家を訪れた。
山の中にポツンと佇む巨大な建物の情報を求め、捜索隊は近くの大きな集落へ。地元住民から、衛星写真で見つけた一軒家は、人が住んでいる家ではなく堆肥を作っている小屋だとききつけた。集落に住む持ち主の家を教えてもらい、捜索隊はその場所へ向かう。
持ち主ご一家は、ご主人、奥さん、息子さんの3人家族。早速ご主人の案内で、「ポツンと一軒家」スタッフが狙いを付けた堆肥小屋を訪れた。
牛の糞尿から堆肥を作る堆肥舎は、臭いが発生するため、山奥に作られた。機械化された巨大プラントは、3軒の酪農家が補助事業として30年前に立ち上げた。総工費は1億を超えるという。しかし、高齢化が進み、今、このプラントを可動させているのは、ご主人一家のみ。ご主人は毎朝9時に牛の糞尿を2トン車で搬入、巨大な機械の羽で移動させて、撹拌(かくはん)し、酸素を送って発酵させる。その熱は、60度にもなる。乾燥させるまで50日から100日、完全に発酵させるまでには約1年もかかるそう。できあがった堆肥は、大口にはご主人がトラックで納品、小口出荷用の袋詰め作業は妻が担当。夫婦は「自分の畑でも堆肥を使っているが、作物がよく育つ」と語る。
地元出身のご主人は現在、80頭の牛を飼育。朝6時から乳搾りをして、1日1トンを出荷。息子さんは人工授精師の免許を持ち、繁殖も行っている。
ここで生まれ育ったというご主人。「シベリアの捕虜収容所から戻った父親は体が弱かった」と、涙ながらに語る。父に代わり家族8人の生活を支えるために、農業高校を卒業してすぐ、18歳で家業を任された。元々は馬の生産をしていたが、耕運機の普及で牛へ転向。その始まりは、高校2年のとき、「ホームプロジェクト(実践学習)」の課題のために自分の小遣いで1頭5000円のホルスタインの子牛を2頭買ったところからという。
妻とは、お見合いで結婚。「農家には嫁がない」と断った妻だが、夫に好印象を抱いた妻の実母が説得し、ご主人26歳、妻21歳で結婚。その時には、牛は12頭にまで増えていた。
現在は乳牛だけでなく、和牛の繁殖も行っている。きっかけは、昭和63年に出た、「母校の農業科がなくなる」という話。その危機を救うために卒業生たちが「特徴ある学校作りをしよう」と、まだ研究が始まったばかりの受精卵移植技術に高校と取り組み成功させた。新聞に載るほど大きな注目を集め、農業科も存続。酪農家のご主人の収益も上がった。その志を大学で酪農を学んだ息子が引継ぎ、現在も乳牛のホルスタイン種から受精卵移植で黒毛和種を生産し、年間15頭ほどを出荷している。
17年前、60歳の時に長男に経営権を譲っているが、「できるだけ仕事を続けたい」と妻は言う。そんな妻をご主人は「50年、よく付いてきてくれた。後ろを見ると必ずいるから、安心する」と言い、妻も「(一緒に走ってきて)正解だった」と笑顔を見せた。
酪農も、牛の受精卵移植も、堆肥作りも、ひたむきに取り組んできたご主人と、夫を信じて50年支え続けた妻。そんな両親の働く姿を見て育った息子が稼業を継いだ。集落に残る酪農家は、今はこの一家だけ。いつか長男に伴侶があらわれ、自分たち夫婦のように、仲良く稼業を続けてくれる日を首を長くして待っている。
ゲストに木村多江と菊地亜美を迎えたバラエティ番組「ポツンと一軒家」(ABCテレビ)は、1月18日(日)の放送で紹介された。













