「ライバルで仲間」24歳と26歳、同期2人の女性白バイ隊員がともに全国大会へ! 汗と涙で“日本一”を目指した最後の挑戦に密着

白バイの運転技術を競う全国大会に、兵庫県警代表として出場した2人の女性白バイ隊員に密着しました。どうしても獲りたい日本一の座。果たして結果は?

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兵庫県警交通機動隊の橋本杏香巡査(26)は、白バイ隊員の中でも素質を認められた人だけが所属できる「白バイ特別訓練員」のひとり。小野市にある県警の訓練場に、2週間後に迫った全国大会に向け、ひたむきに練習に励む彼女の姿がありました。

昨年の大会では惜しくも2位となった橋本さん。今年こそはと悲願の優勝を狙う彼女の前に立ちはだかる最大のライバルも、実はすぐそばにいました。それは橋本さんの同期で、昨年4位入賞の実力を持つ塩津文菜巡査(24)。

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監督によれば「がっつりバリバリに(アクセルを)開けていくのが橋本で、細かくこちょこちょタイムを伸ばしていくのが塩津」とスタイルは正反対ですが、どちらも全国優勝を目指せる実力の持ち主。この大会は同期2人の戦いでもあるのです。

大会の種目は、8の字走行などでバランスの技術を競う「バランス走行」と、小回りが多い複雑なコースでタイムを競う「スラローム走行」の2つ。スラローム走行の訓練では、早く正確なハンドルさばきを見せるも、タイムが目標からわずかにオーバーしてしまう橋本さん。塩津さんはゴール直前でポールに接触してしまいます。

「橋本はタイムがほしい、塩津はミスなしやな」とコーチから指導が飛び、気合いを入れ直す2人。実は橋本さんと塩津さん、ともに今月で特別訓練員を卒業するとあり、大会への出場はこれがラスト。最後の大会に賭けているのです。

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【動画】少しのミスで気持ちが切れてしまうため「技術よりは精神面が課題」と自己分析する橋本さん。一方、塩津さんは1位をとりたいと意気込みます。

いよいよ大会当日がやって来ました。「全国白バイ安全運転競技大会」は年に一度、茨城県ひたちなか市で開かれる白バイの全国大会。今年も日本各地からおよそ120人の白バイ隊員が集まりました。

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同僚と話すことで「いつも通り」を意識し、緊張を紛らわせる橋本さん。塩津さんはひとり静かに音楽を聴きながら集中モード。大会前の様子も対照的な2人を、「緊張する必要はない。楽しむしかない!」と監督が鼓舞します。

ところが、初日からいきなりのアクシデント。雨の影響で転倒が相次ぎ、この日の「バランス走行」の競技はすべて中止に。翌日の「スラローム走行」のみの一本勝負となりました。

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大会2日目は雨も上がり、いよいよ2人の出番。「スラローム走行」競技のスタートです。まずは橋本さん。力強いハンドルさばきで障害物をかわし、迫力満点の走行で見事完走。見守っていたコーチと監督も思わず「よっしゃ!」と声を挙げます。

続いては塩津さん。繊細な運転技術を披露し、コーンが並ぶ狭いコースも難なくクリア。ノーミスで走りきりました。競技を終え、ホッとした表情の2人。県警のメンバーに「すばらしい!」「すごいわ!」と温かい拍手で迎えられ、思わず涙。「お疲れ!」「ありがとう!」と抱き合い、互いの健闘を称え合います。

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そして、ついに運命の結果発表。タイムは2分25秒、ミスなしで見事1位に輝いたのは塩津さん。橋本さんは、わずか1.8秒差で6位という結果になりました。

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悔しさに涙があふれ出す橋本さんですが、「自分がやってきた訓練とか、すべて間違いじゃなったと心から思う」「一緒に戦った塩津ももちろん、すべての人に感謝しかないです」と晴れやかな表情に。

特別訓練隊を卒業し、今後はそれぞれの任務につく2人。橋本さんは白バイの指導員を、塩津さんは交通取締などを担当します。厳しい訓練で培った技術を「交通事故抑止活動を通じて存分に発揮していきたい」。橋本さんはそう語り、強い決意をのぞかせました。

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兵庫県警、2人の白バイ隊員の挑戦は、10月28日(火)放送の『newsおかえり』(ABCテレビ 毎週月曜〜金曜午後3:40〜)で紹介しました。

『newsおかえり』YouTubeチャンネルで配信中

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