ゆうたろう　27歳で高校生役！「肌のために…」

2025.11.16

ある日、自分がBLマンガのキャラクターになっていたら……という大人気不条理ギャグBL作品「絶対BLになる世界VS絶対BLになりたくない男ファイナル」（ABCテレビにて毎週日曜深夜1時10分放送）。4年前にスタートしたシリーズもついに最終章。自分が“BL漫画”の世界の住人であることに気づいてしまったモブ（犬飼貴丈）の弟・綾人を演じているゆうたろうさんへのインタビュー後編です。4年間演じて気づいた変化や現在の仕事に対する思いなどを教えてもらいました。

――いつ見ても変わらず若いですよね。今回も27歳で高校生役を難なくやり遂げられていましたが……。

始まった当初は23歳だったので、高校生役も「まぁありか」と思っていましたが、まさか27歳でもやっているなんて。今回も高校生に見えるために、撮影の2カ月間は、肌のためにほとんどお酒は飲まずによく眠るようにしました。やっぱり肌ってすぐに出るんですよ。そして今回、メイクも自分でやったのですが、あまり陰影を付けずにナチュラルな素肌風にしています。肌つやもよく、高校生に見えるんじゃないかな？

――4年間、同じ役を演じてきましたが変化はありましたか？

役としては全くないです。他のシリーズものの作品は、普通成長したりしていくのですが、本作はいい意味で何も変わらないんですよ（笑）。綾人は相変わらず東條（塩野瑛久）とラブラブしていて、学校生活やモブ家で楽しみながら過ごしています。

――演じる上では変化はありましたか？

やっぱり4年間も一緒だと、距離感も縮まり、仲も深まってきて、アドリブがかなり増えました。最初は台本通りにやりながら遊べるところは遊ぼうとやっていたのですが、2作目、3作目となり、どんどん自分のスパイスを入れるようになっていって……。監督も「アドリブどんどんやって！ダメなら切るし」みたいな感じだったので、話し合いながら色々なことをやりました。ただ、あくまでも犬飼くん演じるモブが中心で回っていく世界なので、引っ張られてボケに回るのではなく、常にツッコミを意識していました。でも犬飼くんのアドリブに引っ張られそうになっちゃうのですが（笑）。

――みんなとの関係性が役にも反映されていった感じなんですね。

そうだと思います。共演者とも監督とも言いたいことを言える関係になったので、気軽に「こうした方がよくないですか？」など言えたりして。そして監督も「制作的にここには意図があって……」と教えてくれて。チーム感を感じさせてくれる本当にやりやすい現場でした。これは他の作品の現場でも活かされることで。今も現場で緊張している人がいるとちょっとしたアドリブをして場を和まして演じやすい空気感を作るようにしています。

――綾人という人物とご自身の共通点はありますか？

最初、綾人くんはモブ家の一員だけど今やBL作品の主人公的な立ち位置でもあります。この実際の自分と違う場所にいる感覚は、今の僕そのものでもある気はします。やはり俳優はきらびやかなイメージのある仕事で、僕自身の感覚とは違うところが多いんですよ。ときどき、「あれ？」と不思議な感覚になる。その自分は変わらないけれど環境が変化しているのは綾人くんに似ているなと思います。

――芸能界デビューして来年で10年目になりますが、それでもそのような気持ちを抱くんですね。

元々入ろうと思っていた世界ではないし、こんなに続くとは思っていなかったので、気持ちはいい意味で昔のままなんですよ。憧れの場所にいるみたいなフワフワした気持ちもないので。映像や舞台と、自分の人生では想像もしていなかったことが、10年近く続いているという感覚に近くて……。だからある意味、未練もないです。求められなくなったらそれまでで、食らいついていくタイプでもないので、「楽しかったな～」と笑いながら終われる、誇らしい気持ちをずっと持っています。どちらかといえば10年もったほうがすごくない？に近いのかもしれないです。

――そのような気持ちは、毎日が充実していないと持てないですよね。

今やっていることに後悔していないし、今が楽しければいいやというスタンスは昔から変わらないです。色々なきっかっけがなかったら存在しない今なので、現状を楽しみながら努力するべきところはしていきたいです。そういう意味では、10年間ずっと楽しめているので天職なのかもしれないです。

――改めて本作の見どころを教えてください。

おそらくタイトル通り、今回がファイナルになる予定ではあるので、全力で楽しんでいただきたいです。綾人としては東條とのシーンももちろんですが、4年間一緒にモブ家を支えてくれた、オトン、オカン、そしてモブとの掛け合いも楽しんでいただきたいです。そしてなによりもモブのどうなっていくのか……。意外な結末で僕は驚いたので、ぜひ多くの人に驚いていただきたいです。