“溶岩ボロネーゼ”を追いかけて見えてきた! 奈良発祥の赤いトウモロコシ「大和ルージュ」をめぐる、人びとの想いと技、そして情熱。モデル高橋ユウが、明るい未来の種に感動!
ワンディッシュ(一皿)のおいしさのヒミツを、4週で追いかけるこの番組。
今回のテーマは、赤いトウモロコシ「大和ルージュ」。奈良の食材がたっぷり詰まったイタリアンのスペシャリテに感動した高橋ユウさんが、料理を支える人たちの想いと技、情熱に触れる。
ワンディッシュに込められた、おいしいの向こう側とは…?
#1 奈良 野菜ソムリエの店 Rokumeikan シェフ・中野忠德さん
ちょうど奈良旅行を計画していたと話す、モデルの高橋ユウさん。“奈良の野菜がすごくおいしい”と聞き、地元食材にこだわった奈良市のイタリア料理店を訪れた。いただくのは、チーズがたっぷり乗った「大和牛・ヤマトポークの溶岩ボロネーゼ」だ。「とってもおいしいです!」「クリームが、コクがあってまろやかで」と感激する高橋さんに、オーナーシェフの中野さんは「奈良の食材がたっぷり詰め込まれておりまして」とほほ笑む。奈良県の黒和牛である「大和牛」とブランド豚「ヤマトポーク」に加え、クリームソースには奈良県産の米粉も使っている。
そして、野菜にも奈良発祥の食材、赤い実が特徴のトウモロコシ「大和ルージュ」を使用。一部でも実がなっていないトウモロコシは規格外野菜となるが「規格外のトウモロコシから出汁を取って作っております」と中野さん。大和ルージュを髭や芯まで煮出した出汁を加えることで、ボロネーゼの旨みが引き立つのだとか。高橋さんは「形が違うだけで規格外に扱われるのはもったいないなと思っていた」「すごく素敵です」と話す。さらに、モチモチの麺にも大和ルージュを練り込んで風味もアップ。
おいしいの向こう側には、奈良の恵みを無駄にしない愛情があった。
<紹介したお店>
奈良 野菜ソムリエの店 Rokumeikan
https://www.instagram.com/nara_rokumeikan
#2 平野農産 農家・平野裕之さん
続いては、赤いトウモロコシ「大和ルージュ」のお話。奈良県桜井市で栽培しているのが、農家の平野さん。肥料に入れている海産物が含む、ミネラル成分がうまさの秘訣だと教えてくれた。朝日が昇る前に収穫することもポイント。夜中に糖分を蓄えるため、日の出前が一番甘くおいしい状態に。それを知った高橋さんは「えっ!知らなかった」と驚きの表情。
「朝の獲れたてが一番おいしいです!」と笑顔で話す平野さんには「使われていない農地を活用して、農業を通して観光資源を創出したい」という夢がある。大和ルージュのトウモロコシ畑に人が集まるイベントを計画しているそう。
夢の第一歩が、トウモロコシの収穫体験。トウモロコシがなっている様子を子どもたちに見て実際に触れてもらい、次の世代に繋がる農業をしていきたいと語ってくれた。そんな平野さんの姿に、高橋さんは「観光資源に繋げていくっていうのが素敵ですね。子どもと行きたくなりました」とニッコリ。
おいしいの向こう側には、農業を次世代に繋ぐ農家がいた。
<紹介した会社>
平野農産
https://www.instagram.com/nanntocorn
#3 野口製麺所 麺職人・岩見裕貴さん
溶岩ボロネーゼを口に運んだ高橋さんが「すっごくコシがあっておいしいですね」と感激したのが、大和ルージュを練り込んだ麺。このモチモチの赤い麺は、ワンディッシュのために開発されたという。シェフが「一緒に試行錯誤して頑張ってきました」と教えてくれた開発のパートナーが、大阪府吹田市にある野口製麺所の麺職人・岩見さん。うどん、蕎麦、中華麺を作る“麺のスペシャリスト”だ。それまでパスタ麺を作ったことはなかった岩見さんだが、「新しい挑戦として取り組ませていただきました」と語る。
試作期間は3カ月! 「奈良の大和ルージュを使ったモチモチの麺」というオーダーに応えて、原料の粉の選定や配合量、水加減を試行錯誤して作り上げたという。モチモチ感を出すために作った試作品は数え切れない。食感の決め手となったのは、タピオカ粉。そのおかげで弾力とコシのある、風味豊かなおいしい麺が出来上がった。「完成したときはものすごい達成感と喜びがありました」「今後も麺のプロフェッショナルとして頑張っていきたい」と岩見さんは意気込む。
高橋さんは「目標をもったプロフェッショナルが1つになると、こんな素敵なものが生まれるんですね! めちゃめちゃカッコイイ関係だなと思いました」と感動を隠し切れない様子。
おいしいの向こう側には、高め合う2人のプロフェッショナルがいた。
<紹介した会社>
野口製麺所
https://www.instagram.com/nogutiseimennsyo
#4 株式会社大和農園 金子さん
続いて紹介されたのは、真っ赤なトウモロコシ「大和ルージュ」誕生の物語。奈良県天理市にある大和農園は、これまでに500種類以上の野菜の種を開発してきた。大和ルージュ開発者のひとり、金子さんは「誰もが手にとって喜んでくれる、笑顔になれる品種を開発したいと思いました」と教えてくれた。
開発する上で大切にしたのは“赤さ”と“甘さ”。長年かけてトウモロコシを何通りも掛け合わせた結果、理想の色と味にたどり着いた。種のメーカーとしてもう一つ大切にしているのは、育てやすさ。木が太く高く育つ大和ルージュは暑さに強く、猛暑となった今年もしっかり身をつけてくれたそう。「温暖化でどんどん地球が暑くなっている、その中で生産者さんをフォローしていく」ことが種苗メーカーの使命だと語る。
高橋ユウさんは「私たちの食卓に野菜が並んでいるのはみなさんの努力があってこそ。本当に感謝ですね。この大和ルージュの彩りのように、農業の未来もどんどん明るくなっていってほしい」と話す。
あなたの食卓には、どんな向こう側が見えますか?
<紹介した会社>
株式会社大和農園
https://www.yamatonoen.co.jp/company/
ワンディッシュ(=一皿)に込められた様々な人たちの思いを深堀る『ワンディッシュ ~「おいしい」の向こう側~』は毎週日曜午後7時54分~7時58分、関西ローカルで放送中。
次回ゲストは、プロレスラーの真壁刀義さんです!

















