“ゴーグル焼肉”が大人気! 前が見えない!? 煙モクモクの店内で楽しむ、有名人も通う大阪・鶴橋の老舗の3代目に密着!
街のおいしい店に潜入し、店主の人柄からにじみ出る人気の秘密を発見するシリーズ「実録!人情食堂」。今回は“ちょっと変わった格好”で楽しむ焼肉が名物の人気店を取材しました。
“焼肉の聖地”大阪・鶴橋の商店街を抜けた住宅街にある「焼肉の新楽井(あらい)」は1952年創業の老舗。玄関を入るといきなり現れる厨房の脇を抜け、奥に進んだ先にある板の間が飲食スペースです。
床にそのままペタンと座り、脚のない低いテーブルにのせた七輪で肉を焼きながら食べるのが「新楽井」のスタイル。目が痛くなるほどモクモクと煙が立ちこめる店内には、あちこちに“水中メガネ”をつけたお客さんが! さらに“ヘアキャップ”もつけた完全防備で煙に抗う女性客もいるなど、なんともユーモラスな光景が広がります。
そんな「新楽井」の創業者は、韓国・済州島出身で、95歳まで長生きされたという新井淑林さん。現在は淑林さんの孫の北尾景子さん(52)と夫の徹さん(51)が3代目として店を切り盛りしています。
実は、店内が“煙モクモク”だったのは創業当時から。常連客だった歌舞伎役者が、遊び心で水中メガネを持参したパフォーマンスがきっかけで、今や店の名物となった「ゴーグル焼肉」が誕生しました。
恵子さんは高校1年生から店を手伝い、この道36年。看板メニューの厚切りハラミのおいしさを引き立てる一子相伝の“もみだれ”も、人気のキムチも創業当時の味を引き継いでいます。
【動画】長年通い詰める常連や、有名人のファンも多い「新楽井」。取材時には、アメリカを拠点に活動する世界的ドラマーも来店!
そんな恵子さんを、店内に飾られた淑林さんの写真が見守ります。「新楽井がある限り、おばあちゃんが生き続けている」と語る恵子さんにとって、淑林さんは亡くなった今も大きな存在。おばあちゃんがてのひらを開いたり閉じたりしながら“グー(=ケチケチ)でもパー(=ユルユル)でもアカン”と教えてくれた商売の真髄にたどり着くべく、「まだまだ修業」の日々だといいます。
そしてこの夜、団体客の予約が入った「新楽井」は大忙しです。京都サンガFCのサポーター仲間だそうですが、その数はなんと26人!この人数が一斉に肉を焼くと、前も見えないほどの煙モクモク状態になりますが…。
「楽しいです」「今まで経験したことない」「生まれて初めて、こんなにおいしく焼肉食うたなと」と感動を口にするお客さんたちはみんな笑顔。ハラミやタン、人気の馬肉のユッケなどを堪能し、「おいしかったです!」と大満足で帰って行きました。
夫と2人、3代目として大好きなおばあちゃんの店を引き継ぎ、続けていくことに「幸せ」を感じているという恵子さんは「おいしいものを食べたときって、みんな笑うんですよ」「みんなに笑ってほしいですね」とニッコリ。創業以来の味と遊び心あふれるスタイルが人気の「焼肉の新楽井」は、とっても素敵な人情食堂でした。
「実録!人情食堂」は、10月6日(月)放送の『newsおかえり』(ABCテレビ 毎週月曜〜金曜午後3:40〜)で紹介しました。
















