大腸がんだったなんて…“それやだキス再来”以上に神尾楓珠演じる“運命の元恋人”に振り回された『すべ恋』第3話考察という名のほぼ感想

「おいおい、そのキスはよくないぞ?」と、思わず真顔でテレビに呟いてしまった。秘密を抱えていそうなイケメンが、電話で一方的に別れを告げ、自分から「友達に戻ろう」なんて言っておきながら、元恋人にキスしたのだ。そんな『すべ恋』ことドラマ『すべての恋が終わるとしても』(ABCテレビ・テレビ朝日系全国ネット、毎週日曜よる10時15分~)第3話は、衝撃的なラストシーンも含め、私は今まで以上に⼤崎真央(神尾楓珠)に心をかき乱された。

【TVer】自分から振っておいて突然キスして元恋人を泣かせて……真央(神尾楓珠)ってひどくない!? でも、ラストシーン後に見返したら感想がガラリと変わるかも?

インタビューで神尾楓珠は、「『真央はひどい男だ!』と思われるんだろうな」と語っていたが、私の中で真央は“ずるい男”の方がしっくりくる。10月26日放送の第3話でそう感じたのは、プロジェクトの飲み会帰り以降のシーン。ヒロイン・⽻沢由宇(葵わかな)が長年の未練と向き合い前へ進みだす決断をしたのに、その元恋人・真央は時が止まったような状態だった。電話で一方的に由宇へ別れを告げ、「友達に戻ろう」と言ったのは真央なのに。

まず真央は、由宇を目で追いすぎ。由宇と2人きりになるために遠回りで帰るし、遠距離恋愛中に使っていたお揃いの手帳をまだ持っているし……絶対にまだ由宇のことが好きでしょ。しかも、酔うと子どもみたいになるタイプだと? 「地下鉄でも帰れるし」という意地っ張りな言い方、駅に向かわず夜景を眺めだす自由さ、由宇から「もう行こ?」と促された際の“駄々っ子ムーブ”……どれもかわいすぎて反則。全部を許しそうになる。

私の中で真央=“ずるい男”の決定打となったのは、由宇への突然のキス。そのきっかけは第1話同様、本音を我慢するときに唇を噛む由宇の癖だ。第1話で、「それ、やだ」と真央がたしなめるように由宇にキスしたとき、2人は運命で結ばれた恋人同士だった。しかし、第3話の2人はもう恋人ではない。にもかかわらずキスって……しかも、はたから見ると「酔った勢い」っていう最悪のシチュエーションで!

「元カノとか雑に扱うタイプ?」と由宇に涙ながら悪態をつかれた際の、「本当にそう思うの?」という真央の返しもずるい。「本心じゃない」と思わないと、由宇にそんな聞き方しないでしょ。X上には、「こらー! このキスはよくない! よくないぞー!」「『良い友達になれそうだよね!』なんて自分から言っておいてキスはちょっとずるいよね」「気持ちが先走っちゃったんかもやけど、、キスより先に言葉にしてくれ……」といったコメントがあり、私と同じ思いの視聴者は少なくないようだ。

“それやだキス”の再来で頭がいっぱいなまま第3話が終わると思いきや、それ以上に衝撃的な展開が最後の最後に待っていた。大腸がんステージ2、術後フォローアップ……。「実は3年前に大腸がんを発症していた」という、真央がこれまで抱えていた秘密が明らかになったのだ。

真央が内定を蹴ってフリーのイラストレーターになったのも、同級生たちの飲み会に行かなくなったのも、「あと2年」という意味深長な呟きも、手帳の2027年12月8日の欄にシールが貼られていたのも、全部がんが理由だったんだ……。真央が締め切り前に作品を提出しがちなのは、「せっかちなだけ」じゃなく、がんが再発したときのリスクヘッジなのかもしれない。

じゃあやっぱり、真央が由宇を振ったときの「好きじゃなくなった」はウソだったんだ。ここで私は安堵したと同時に、真央に物申したくなった。

きっと真央は、由宇を悲しませないために一方的に別れを切り出したんだろう。その決断は真央なりの優しさだし、11月2日放送の第4話で明らかになる病気発症後の3年間は壮絶で、彼なりにものすごく葛藤したことは想像できる。でも、真央はちょっと自分勝手だなとも思う。第1話で本音を言えない由宇に真央が放った、「俺はなんのための彼氏なの?」っていう言葉、自分がそっくりそのまま言われたらどう返すの?

そんな真央の秘密を知らない由宇は、同僚・野北駿太郎(⽩洲迅)との関係をさらに深めていくわけで……。「相手にとってのたった1人が自分じゃないならしょうがない」と恋を終わらせた者同士だし、考え方や好みが同じだし、由宇と野北はお似合いだと思う。でもやっぱり私は、由宇と真央の運命を信じたいし、終わってしまった2人の恋がもう一度始まってほしいと願っている。たとえ、悲しい展開があるにしても。

もちろん野北には幸せになってほしいけど、彼の隣にいてほしいのは由宇ではないかな。だって野北、たぶん由宇のことを本気で好きじゃないよね? 恋愛が全てではないし、「安心できるから一緒にいる」という関係もいいと思う。でも、今の野北は宮内郁⼦(市川由⾐)から振り回される恋に疲れて、若干自暴自棄になっている気がする。そのことに彼は、気づけるのだろうか?

振り回している男(真央)も振り回されている男(野北)も、どちらも置かれている現状は辛い。今後も引き続き、彼らの恋の行方をひっそり見守っていきたいところだ。

【TVer】出会ったその日に一夜を共に明かし……。自由奔放な郁⼦(市川由⾐)に「出会えてよかった」「出会わなければよかった」と思う、野北(⽩洲迅)の恋が辛すぎる!

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